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9月, 2025の投稿を表示しています

欲求の鏡

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  カーテンの向こう側で男と女の笑い声が聞こえてきた。視線を向けるが、すぐに画面を見つめなおす。

記憶の欠片

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  窓のカーテンを押し上げる。 穏やかな陽光と共に、涼風が入り込んだ。空気を入れ替え、清浄を満たして。

忘却の彼方

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  囲いの中を彷徨っている。地球でも、無限のような宇宙でさえも。

Valhalla─『祈りの行方』

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   ──氷の上で眠っているのか。  体は冷たく、動かない。  戦乙女の姿は揺らぎ、霧散する。

鈴の心

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  朝焼けに染まる鱗雲が東雲色の空を覆っていた。石畳の通りに並ぶ建物の彩りは、光に色を塗っていく。

始原の唄

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  点があった。極小の点。揺らぎ、膨らんでいる。 一刻に圧縮された。

一滴の雫

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  新緑が目立つ草原が、波を描くように揺らされていた。その先をなぞるように風が走る。

刻の環

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   淡く赤みがかった夕暮れの下で、飛沫が散った。水面から跳ねた魚が水を弾く。

巡りゆく炎

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  朝焼けに包まれた街の中で、灰色の煙が途切れることなく空を覆っていた。怒号が波のようにうねり、群衆が地面を踏み鳴らす音が響いていた。

継承の矢

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 降りてくる雪が岩の表面に積もっていく。灰色に濁った空には、雲が厚く漂っていた。

在り方の道標

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 沈んでいく太陽が、空を淡い茜色に塗り替えていく。残照から届く色彩は、街を鮮やかに染めていた。

繋がる音

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  振り子が揺れている。秒針の音と共に、静かな空間に重なり、響き合う。

変わらない日常

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 街灯の光に虫が何度もぶつかっていた。疑いもなく繰り返される。

最後の贈与

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     空を見上げていた。  灰色の雲が連なり、隙間を埋めていく。遮る膜から光は漏れて、淡く拡がる。  木の葉が風に乗り、窓から入ってきた。戯れに脚を伸ばして捕まえる。舐めてみると、青臭かった。  皿にある水。腹が膨れることはない。だけど、誤魔化せる。友達の手が近付いてきた。  両手に抱き抱えられて、膝に乗せられる。見上げると、友達が目を細めていた。尻尾を一度振って、静かに鳴く。  抱えられ、隣に降ろされた。友達は立ち上がり、歩いていく。腕を伸ばすのを見ていた。あれを捻ると、水が出てくるんだ。  一滴だけ、零れ落ちる。  友達が項垂れ、座り込んだ。  駆け寄って毛のない顔を舐める。 撫でてくれた。  いつもと同じ、優しい瞳で。  音がした。  小さな気配に身を沈ませる。  ──灰色の、長い尻尾。  耳を立て、機会を伺う。隙間から出てきた。爪を伸ばし、飛びかかる。背の皮膚を裂き、首筋に牙を突き刺した。そのまま頭を上げる。   咥えたものを大きな顔の前に置く。友達は微笑んで、灰色の尻尾を掴んだ。  そのまま、差し出される。  ──食べないの?  友達を眺めていた。  目を閉じてる。寝てしまったんだろうか。  友達がいらないなら、食べよう。  噛む度に灰色の毛が赤く染まる。少し満足し、皿に残った水を舐めた。  水面に赤い筋が細く走る。  友達は動かない。  日は昇り、また沈む。  何度も繰り返す。  ────  身体が、重い。  灰色の長い尻尾。 今は白く、硬い姿。  床に、散らばってる。  匂い。  友達の。  ふらつく脚で歩いていた。  顔を舐める。  大きく口を開く。  齧っていた。  力が、こもる。  止められない。  腹が、満たされて。  咀嚼してると、友達の口が開いていく。  ────それでいい。

石の子供

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   土が盛り上がり、地中から何かが這い出てくる。うねうねと体を動かしながら、木に登っていく。

尊厳と紙幣

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  生温い風を肌に感じながら、杖をついて脚を引き摺る。石造りの道に強烈な陽光が反射し、男の顔を静かに焼いていた。

古いねじまき時計

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  雲ひとつない空が、遮ることなく陽光を迎え入れていた。その光は朝露を照らして反射する。

水滴の音

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 茜色の空を複数の影が横切っていく。群れの中心から一片、黒い羽がゆらゆらと降りてきた。