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7月, 2026の投稿を表示しています

進む為に

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   頭を一つ、腕に抱えて歩いていた。目は開いている。揺れる度、濁った瞳に景色が滲む。裂けた耳が風に靡いた。

迎合の為に

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   重い音を響かせながら扉が開く。ノブを握る手を離し、玄関を跨いだ。

触れた跡

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   弦を爪弾いていた。木箱に張られた十三本が振動する。全体を震わせ、共鳴を起こした。

囁きの中

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   絶壁があった。頭を振り、手を伸ばして指で触れる。少しなぞり、掌を開けた。

歩くだけで

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    糸がある。真直ぐに伸びていた。辿った先に林檎がある。

黒煙の街

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    音が、消えた。  地面が大きく揺れる。 突風が身体にぶつかり、後ろに倒れた。

名を持つ欠片

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   石の破片が散らばっている。一つ選んで拾い、名付けた。

選んだ涙

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    瞳が映し、立ち止まる。道路に猫が転がっていた。

同じ顔

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   白い室内で、高い声が響いている。ずっと、受け取っていた。産まれる前から。

映された背中

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    遮断機が降りて、規則正しく音が鳴る。敷かれた鉄が振動し、響き出す。

静止した時

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   懐中時計を掌に乗せている。硝子は割れて、秒針は動いていない。懐に収め、呟く。

歯車の躍動

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  先端がしなる。しがみついた露が伸びて、千切れた。

記述先の違い

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  咳が聞こえた。皆、一様に視線を向ける。直ぐに顔を伏せ、紙を摘まんだ。

見つめるものは

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   石を蹴った。僅かに浮いて地面に向かう。何度か跳ねて、歩く先に留まる。

変わらない夜

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   壁が鳴っている。鈍く、重く。等間隔に繰り返していた。仰向けのまま頭を巡らせ、視線を定める。

記憶の中で

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   黄色いシャツの袖から伸びた、褐色の腕。肌に滲み、浮いて伝う。爪先を立て、回っていた。