投稿

6月, 2026の投稿を表示しています

イメージ
   根を張り巡らせた、太い幹。伸ばした枝がたわみ、先端の葉が揺れる。上に、下に。

蝉に向けて

イメージ
 幹にしがみつき、腹を震わせ響かせる。呼応して連なり、音が膨らんだ。立ち並ぶ木々に反響し、街を包む。

結晶を痕に

イメージ
   灰色が沁みた膜が漂っていた。流れ、形を変えて。繋がり続けて覆い隠す。

届かない声

イメージ
   飛沫を残して沈んでいく。  波紋が拡がり、細かい泡が幾つも生まれた。

自然治癒

イメージ
   照射する光が熱を帯びて、水面を温めていた。形を保てず、蒸気に変化し上昇する。冷やされ、固まり、雲となった。

決められた中で

イメージ
   二つのグラスがテーブルに並んでいた。  赤と、青。

残火の跡

イメージ
   燃え盛る巨大な炎が、熱を帯びた視線を放つ。  周囲に集う連なり──八の色彩へ。

戦場の欠片

イメージ
    滲む視界の先で、男が笑っている。その脚が小さな身体を踏んでいた。

零れたのは

イメージ
   ちゃぶ台の前で膝を折り、畳に脛を置く。背筋を伸ばし、卓上の茶碗を見つめて。急須に手を伸ばし、注いでいく。

生まれた世界で

イメージ
 眼球が土に根を張り巡らせている。  瞼は、ない。

アート

イメージ
   回廊の白い壁に視線を向ける。幾つもの絵画が掛けられ、並んでいた。人々は眉を顰め、頷き、腕を組む。

眼球の奥

イメージ
   瞼を透かして眼球に届く。朦朧とした頭を振り、目を開いた。

真実の景色

イメージ
    太陽が降り注ぎ、眼球を照らした。入ることは出来ない。視界には無が拡がっている。

聞こえぬ組曲

イメージ
 何処かで鳴っている。震わせながら伝って来た。  生地が僅かに振動を始める。