作品アーカイブ (目次)

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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「見つめるものは」     感情 「変わらない夜」      断片 「記憶の中で」       断片 ─ピックアップ─   テーマ   断片 「蝉に向けて」                               ─テーマ別─ ─境界─       二十四作品 ─時間─               七作品 ─循環─           二十作品 ─感情─           二十作品 ─万有─               九作品 ─価値観─       十八作品 ─日常─           十二作品 ─断片─           十二 作品 ─無─                   三作品 ─掌編─    「見つめるものは」      感情 「変わらない夜」       断片 「記憶の中で」        断片 「蝉に向けて」        断片 「決められた中で」      境界 「戦場の欠片」        感情 「零れたのは」        感情 「アート」          価値観 「眼球の奥」         境界 「飛び去る欠片」          循環 「淵の端から」        感情 「写実した風景」       境界 「同じ場所で」        境界 「無機物の渇望」       境界 「歪んだ花」        ...

蝉に向けて



 幹にしがみつき、腹を震わせ響かせる。呼応して連なり、音が膨らんだ。立ち並ぶ木々に反響し、街を包む。

 小さく、混ざる。

 枝が絡む、塞いだ窓の隙間を縫って。


 湿った畳に仰向けでいた。唇は裂け、肌は乾いている。充血した眼が明滅する蛍光灯を映していた。周囲に菓子箱が散らばり、ペットボトルが転がっている。


 尻の下は茶色に滲み、色を変えていた。短い指を動かし、伸びた爪で畳を掻く。褪せた黄色いシャツに皺が寄り、描かれたヒーローが歪んだ。


 外から伝い、耳に届く。聞いたことのある高い声。皆、笑い合っている。残響を残し、ゆっくり遠ざかっていく。


 喉を鳴らし、口から零れた。かすれ、しゃがれた音が。


 瞼が、降りる。


 ドアの前で女が手を振っていた。微笑みながらノブを掴む。重く軋んだ鉄が響いて。


 しがみついた脚が外れた。

 腹を震わせ、地に向かう。


 ────混ざることは、ない。

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