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5月, 2026の投稿を表示しています

作品アーカイブ (目次)

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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「見つめるものは」     感情 「変わらない夜」      断片 「記憶の中で」       断片 ─ピックアップ─   テーマ   断片 「蝉に向けて」                               ─テーマ別─ ─境界─       二十四作品 ─時間─               七作品 ─循環─           二十作品 ─感情─           二十作品 ─万有─               九作品 ─価値観─       十八作品 ─日常─           十二作品 ─断片─           十二 作品 ─無─                   三作品 ─掌編─    「見つめるものは」      感情 「変わらない夜」       断片 「記憶の中で」        断片 「蝉に向けて」        断片 「決められた中で」      境界 「戦場の欠片」        感情 「零れたのは」        感情 「アート」          価値観 「眼球の奥」         境界 「飛び去る欠片」          循環 「淵の端から」        感情 「写実した風景」       境界 「同じ場所で」        境界 「無機物の渇望」       境界 「歪んだ花」        ...

跡を残して

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   砂を掬って拾い上げた。熱を纏い、体温と混ざる。掌で流れ、指の隙間を滑り落ちて。  樹皮にしがみついた蝉が、腹を震わせている。響きの中で零れ続けていた。  振動する空気を伝い、揺らされて。  水平線から音が近付く。   小さな、波。  暖かい飛沫を散らし、受け止めた砂が色を変えた。  濃く、重く。  太陽が傾き、空を塗り替える。  足跡が置かれていた。途切れまで。  ────波が、跡を攫う。

飛び去る欠片

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   樹皮に刻み、横臥した。視界は闇に塗られ、耳鳴りが途切れる。皮下で一粒、微細に震えて。  分裂を終える。もう、入れ替わることはない。ほどける先で紡ぎ、縫い込むために。  ──欠片を。    蠅が産み付け、蛆が孵った。  這いまわる。  齧り、啜り、記憶を飲んで。  聞こえぬ音が垂れる。  漏れて伝い、溢れた色を土が受けた。  滲んで、沁みて──拡がり、混ざる。  根が吸って、幹を辿った。  その表面に、深く穿たれた傷。  跡を残し、繋げるために。  太陽が照らし、夕闇が包み、月光が冷ます。  七度、繰り返された。  皮を固め、飴色の殻を纏う。  じっと、待つ。  殻を脱ぎ捨て羽音を鳴らす。  数多の眼が、景色を映した。  ────白い残骸が、崩れていく。

淵の端から

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   草を握って力を込めた。土が盛り上がり、跳ねて散らす。背負った籠に手を伸ばして、指を離した。少し、積みあがる。  腰に手を当て、背筋を伸した。  降り注ぐ熱を全身に浴びながら。  ふと、視線を留めた。大きな石に。  頭皮が滲み、垂れて来る。  髪を濡らし、  頬を伝い、  首筋を辿り──襟に吸われて。  肌にシャツが張り付き、白い模様を斑に描く。視線を外し、息を吐いた。瞬きのあとに額を拭う。  肩紐を掴んで籠を降ろす。  淵で、浮きあがる。  宙に舞う緑を、追っていた。  湿った風が乾いていく。  景色は、緋に。  雲から一滴、溢れた。  石に触れる。  深く、頭を下げた。片膝を就き、両手の指を絡ませる。  ────動かない。ただ、濡れただけで。

写実した風景

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   風を正面に浴びながら、木を見つめている。枝がしなり、揺れていた。生い茂る緑葉が幾つか運ばれて。  顔を伏せ、膝に置いたスケッチブックに視線を落とした。紙をなぞる音が響く。  鉛筆を置き、僅かに微笑む。  羽織った生地がはためくのを止め、背中に触れた。傍に転がる水筒を掴み、両手で捻る。蓋に注ぐ音を聞いていた。  紅い水色が波打つのを眺め、唇に迎える。喉を鳴らす度に、身体に冷たく沁みていく。  降りて来る暖かい温度。照らされ、微睡む。  厚紙に浮かぶ木。  枝に葉はない。  しなだれ、枯れて。  頬を撫でられ、瞼を開いた。  スケッチブックに視線を落とす。  顔を上げて、木を見つめる。  筆を執り、パレットに浸した。  ────頷き、笑みを零して。 

同じ場所で

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   レンズ越しに宙を眺める。近付くことが出来た。行けるはずもない場所に。届く光を追うことで網膜に焼き付く。  触れることはできない。そこにあるのに。筒から手を離し、厚い帳を見上げる。瞬きが散らばって。  漏れた吐息が白く染まり、闇を彩る。  漂い、直ぐにほどけて。  掌を擦り、口を覆った。  瞳に──月が宿る。  手を伸ばし、人差し指で瞼をさすった。  確かに触れている 。  筒を覗くことはない。  瞳を映した瞬き。連なり、月光と重なる。  ────すべてを宿して。

無機物の渇望

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   反射して表面を映す。その像に中身はない。光で照らせば、すぐに創れるのに。  視線を交わした。  瞳を見られたから。  息を吐くと、白く濁る。視界がぼやけた。手で触れて撫でていく。指先を冷やし、跡を残して。  その隙間から、見つめ合った。  眉をひそめて。  笑いかけて。    首筋──透けた血管。  髪を靡かせ、背中を向ける。  遠ざかる後姿を映していた。  表面だけを。  中身はまだない。  ────見せてくれないから。

歪んだ花

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    サイレンが街を包んでいた。叫びはもう、聞こえてこない。 ────  透明な欠片が床に散らばっていた。造花が傍に横たわる。紅い花弁がまばらに千切れていた。脚を動かすと、靴底に細かく砕けた音が鳴る。  窓の外から低い唸りが近付く。口を掌で覆い、息を止めた。声が遠ざかっていく。  額を拭うと、袖が濡れた。  薄闇の中、時計の針が進んでいる。規則的に響いて。短針と長針が12を指していた。  呼吸を沈めて引き出しを探る。重なる布を掻き分けて。  ──指先に、冷たく触れた。  目を細め、静止する。  震える手で掴んだ。  ズボンと腹の隙間に差し込み、ドアに向かう。ノブを握り、静かに捻る。  軋む音が僅かに響いた。  廊下を摺り足で進む。壁に手を添えて、辿りながら。玄関から聞こえる。  ──金属を擦る音。  瞬きを繰り返して、前方を睨む。腹に手を添え、屈んだ。  肌と布の隙間から抜く。冷たく、硬いものを。目を見開き、闇を見つめて。  金属音が繰り返され、止まった。  ──静寂。  鈍く、重く反響した。息を吐く音を呑み込む。ドアがたわみ、木板が裂けた。空気が流れ込み、シャツが靡く。  頭を揺らす影。頬には丸い穴が空いていた。赤い滑りが滴り落ちて、床を濡らしていく。紅く染まった髪がまばらに千切れていた。  引き金を引く。何度も撃鉄を起こして。  胸に染みが幾つか滲む。  虚な瞳と視線が合う。 「君もか......」  見慣れた女。  歪んだ、顔。  サイレンが鳴っている。  小さなレンズが、見つめていた。 ────  モニター前で頷き、周囲を見渡した。笑みを浮かべて軍服の男に近付く。腕を広げ、拍手を浴びて。  グラスを掲げた人々が、澄んだ音を響かせる。紅く波打たせ、唇を濡らした。  ────欠片が散らばる。造花と共に。