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5月, 2026の投稿を表示しています

跡を残して

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   砂を掬って拾い上げた。熱を纏い、体温と混ざる。掌で流れ、指の隙間を滑り落ちて。

飛び去る欠片

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   樹皮に刻み、横臥した。視界は闇に塗られ、耳鳴りが途切れる。皮下で一粒、微細に震えて。

淵の端から

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   草を握って力を込めた。土が盛り上がり、跳ねて散らす。背負った籠に手を伸ばして、指を離した。少し、積みあがる。

写実した風景

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   風を正面に浴びながら、木を見つめている。枝がしなり、揺れていた。生い茂る緑葉が幾つか運ばれて。

同じ場所で

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   レンズ越しに宙を眺める。近付くことが出来た。行けるはずもない場所に。届く光を追うことで網膜に焼き付く。

無機物の渇望

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   反射して表面を映す。その像に中身はない。光で照らせば、すぐに創れるのに。

歪んだ花

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    サイレンが街を包んでいた。叫びはもう、聞こえてこない。

編まれた柱

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 雪と雨が降っていた。選ぶことをしないで。  土に結晶が重なり、水滴が崩す。

消えていく顔

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 女の顔が紅潮していた。唾を飛ばし、捲し立てて。対面に座る、その視線を受け止める男。顎髭を撫で、静かに紡いだ。

錯覚のまま

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  記憶を辿って言葉を交わす。何度も見た、同じ顔と。僅かにズレて。

ただ、純粋に

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   一人、ベンチに腰掛けていた。ほつれた服の袖から覗く手は、黒く汚れている。膝に置いた袋を弄り、パンを掴んだ。

選べるなら

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  淡い橙色の液に浸され、形成していた。透明な皿に乗せられ、線を刺し込まれる。

確かな存在

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  細い管先を泡立つ液に浸し、口に咥えた。鼻から空気を吸いこみ、ゆっくりと吐き出す。