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無機物の渇望

 


 反射して表面を映す。その像に中身はない。光で照らせば、すぐに創れるのに。


 視線を交わした。

 瞳を見られたから。


 息を吐くと、白く濁る。視界がぼやけた。手で触れて撫でていく。指先を冷やし、跡を残して。


 その隙間から、見つめ合った。


 眉をひそめて。

 笑いかけて。

 

 首筋──透けた血管。


 髪を靡かせ、背中を向ける。

 遠ざかる後姿を映していた。


 表面だけを。

 中身はまだない。


 ────見せてくれないから。

コメント

  1. ランハムです
    これは…鏡もしくはガラスかなぁ。
    温度も心もまだ、寒い空気感。

    Shige様へコメントを残すはずが、
    質問欄になってしまいすいません。
    自分の予想から、
    Shige様の意図を知った時のばっと世界観がひらく瞬間がすごく面白いので。つい。

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    1. ランハムさん、コメントをありがとうございます。
      この作品はタイトル、そしてこの存在が中身にこだわっていること、皮膚から透けた血管に注目していることが示唆になってます。
      鏡でもガラスでも、どちらでも良いと思ってます。あるいは違うものに重ねてもいいかもしれません。
      イメージイラストは鏡ですけどね。
      命に憧れてるのか、心を知りたいのか、それとも単純に中身まで見たいのか。それともその全部なのか。無機物がそんなことを思わないのなら、人間がただそう思っているのか。でもその場合タイトルとの関連はどうなるのか?
      自由に想像していただけると嬉しいです。
      感謝いたします。ありがとう。

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  2. なるほど。
    内なる渇望…。
    自分の中で巡らせて
    想像して視界がひらける。

    それぞれの世界を
    自由に描けるのが
    文章の魅力。

    Shige様
    ありがとうございます。

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    返信
    1. 文章、面白いですよね。意味を多く含ませようとすれば輪郭がぼやけて、意味を絞って輪郭をはっきりさせると確定したものが残る。そもそも文字って不完全だと思っています。文章だけでのやり取りでは誤解もよく起きますよね。どんなに説明を尽くしても、完全に伝えることは不可能なのかもしれない。実際に面と向かって話していても起きるのだから。それなら、と思って。
      読んでいただいて、感謝いたします。こちらこそ、ありがとうございます。

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  3. Shige様
    ランハムはおそらく何回も考えて
    想像して、違うかな?と描く。
    そんな、理解したくなる文章に
    触れたくてShige様の世界を覗きたくなるのだと思います。
    他にはない謎めいた素敵な世界
    なのです。
    すごく楽しい解けないミステリーです。こちらこそいつも感謝してます。

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    返信
    1. 私の文章はとても曖昧だと思います。必要だと思う分だけ書いているので。それをそのように捉えていただけて、ありがたく思います。
      感謝いたします。

      削除

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