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11月, 2025の投稿を表示しています

なぞる先端

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 ブランコに座り、鎖を握る。冷たい感触。砂粒が隙間で擦れた。上着で払い、指を閉じる。

呪文

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 放たれた、大きな声。空気を震わせ、歪な波紋を拡げた。全身に浴び、変容が始まる。

同じ街

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  屋根を見つめていた。  煙突から昇る煙。輪を描き、ほどけていく跡。残された蒼天。

境界の鏡

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  灰色の空が浮かび、無数の白銀が舞う。降り積もり、靴跡を埋める。吐く息が白く漂い、寒風に攫われた。

雨上がりの空

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 湿った匂いが、掌を包む。暖かく、ざらついていた。雨上がりの、土。

見つめる声

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    瞼が重い。ゆっくりと、視界は閉じる。秒針の音が、静かな部屋に沁みて。

玩具と霧

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   ──冷たい。  髪が濡れた。見上げると、曇天が広がっている。太陽を隠す雲。街並みは薄暗く、透明な流線が覆い被さる。

瞬刻の万有

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   暗闇の中で、輝いている。その光は何処までも伸びて。宙は変わらず、帳が降りたままだ。全てを照らすことは出来ない。細い道筋を辿る。

向日葵の匂い

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   雲が重なり、漂っている。風に流され、ゆっくりと千切れていく。隙間から覗くと、蒼空が広がっていた。

罪の幻想

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   布団を被って震えていた。口内が乾き、張り付く。男は頭を抱えて、呟いた。

走馬燈の奥で

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 昼下がりの日差しが、男を照らす。影が路面に伸び、大きく揺れる。

命の唄

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   蝶がゆらゆらと浮かぶ。風に舞う、鱗粉を撒きながら。眼下には、色彩豊かな群れ。むせかえるような匂いを放ち、咲き誇る花。

映す鏡

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   薄闇に流れる風が、紐に結んだ紙を煽る。風鈴が揺れ、澄んだ音が鳴った。若者が騒ぐ声と響きながら。

削られた御霊

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   六人の子供が手を繋ぎ、輪を描く。その中心に、しゃがんだ少年が居た。

因果の果てに

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 月光を映す刃に見惚れていた。握った柄の先、峰の反りに指を這わす。波紋に浮かぶ眼が、血走っている。

僅かな眠り

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 這わせた指の間に、砂が埋まる。澄んだ響きを纏って、波が近づいて来た。足の裏を撫で、濡らし、還る。砂を攫って。

未来の記憶

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 机の落書きに、指を這わせる。なぞりながら頬を置いた。ひんやりとして、少しざらつく。

波紋の街

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 舗装された路面に、波紋が幾つも描かれる。消える間もなく、生まれ続けて。雨粒が、地を打つたびに。

時の揺らぎ

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 口を大きく開き、欠伸した。滲んだ目尻を指で擦る。少年は時計を見ていた。10時50分。

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 ──お帰り。  靴を揃えて、振り向く。霧に霞み、はっきり顔が見えない。言葉を交わす。

埋もれゆく言霊

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   土を眺めていた。指を伸ばし、地面に触れる。なぞることで、形を刻む。

仮面

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 ピエロが徘徊していた。悲鳴が幾重にも重なり、街に反響する。手に持った血濡れた斧が、ぬめる雫をぽたぽた垂らす。

流転の木端

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   川に丸太が浮かんでいた。激しい飛沫を上げながら、滑るように流れてくる。下流に向かって、一直線に。

イカロスの夢

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   ジャングルジムから飛び降りた。 両手をばたつかせて、宙を掻く。靴底が地面に触れ、髪の先から透明な飛沫が散った。

魂の祈り

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  暗い空間を切り裂くように進んでいた。巨大な光が長い尾を引いて、一筋の線を刻んでいく。