作品アーカイブ (目次)

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写実した風景

 


 風を正面に浴びながら、木を見つめている。枝がしなり、揺れていた。生い茂る緑葉が幾つか運ばれて。

 顔を伏せ、膝に置いたスケッチブックに視線を落とした。紙をなぞる音が響く。


 鉛筆を置き、僅かに微笑む。


 羽織った生地がはためくのを止め、背中に触れた。傍に転がる水筒を掴み、両手で捻る。蓋に注ぐ音を聞いていた。


 紅い水色が波打つのを眺め、唇に迎える。喉を鳴らす度に、身体に冷たく沁みていく。


 降りて来る暖かい温度。照らされ、微睡む。


 厚紙に浮かぶ木。

 枝に葉はない。

 しなだれ、枯れて。


 頬を撫でられ、瞼を開いた。

 スケッチブックに視線を落とす。


 顔を上げて、木を見つめる。

 筆を執り、パレットに浸した。


 ────頷き、笑みを零して。 

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