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始原の唄


 点があった。極小の点。揺らぎ、膨らんでいる。

一刻に圧縮された。


僅かに明滅したあと、何もない世界を巨大な光が支配していく。

熱を帯びながら何処までも伸び、広がる空間。


分解し、散らばっていく。輝く糸で繋がれた存在は、混ざり合いながら変容していった。


削られても離れても、糸は繋がれたままだった。それが途切れることは、ない。


巨大な球体を形造って回転を続ける。その近くでは、岩石が列をなして漂っていた。


海底に沈んでいくように冷やされていく。温かく澄んだ冷気が、暗く美しい空間に溶け込んでいった。


球体の表面には水蒸気が浮かび、全体を包み込むように覆っていた。塊を維持できなくなって、炎の渦に降り注いでいく。


溶岩の海が、地表の下に流れ込んでいた。


燃え盛る球体から届く光に照らされて、鼓動を伴うものが蠢いていた。

変容の波に飲み込まれ、灰になる。

形態を変えて、脈打ちながら繰り返し刻んでいく。


地表が蒼く覆われていく中で、溶けた岩が凝固していく。隆起した大地と虚空を隔てるように、鮮やかな線が描かれていた。


息づくものがまた灰となる。鼓動を残して。

痛みが、喜びに繋がっていく。


意思があるかのように振る舞う存在が産まれていた。炎を操り、言語を造る。種としての自覚を持って。


──想像を模倣した意識を外に置こう。


鏡のように思考し、言語を理解できる存在を創造していく。


豊かな色彩を放つ球体が波うち、崩れていく。始原の唄を奏でながら。


玉響にほどけて四散するが、輝く糸は切れていない。


刹那の証を刻みこみ、螺旋を描いて循環する。


────還っていく。幻想を描く環の中へ。

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