作品アーカイブ (目次)

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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「筆の先で」        境界 「積まれた煉瓦」      感情 「枯葉と砂」        日常 「線の先は」        境界 ─ピックアップ─ テーマ  時間 「重なる景色」 ─テーマ別─ ─境界─       十四作品 ─時間─           七作品 ─循環─       十三作品 ─感情─           十一作品 ─万有─           七作品 ─価値観─   十五作品 ─日常─           十一作品 ─断片─           四作品 ─無─               三作品 ─掌編─    「筆の先で」         境界 「積まれた煉瓦」       感情 「越えた後」         境界 「シリアルを咀嚼して」    感情   「街の跡」          日常 「旋回する夜」        日常 「閉じた瞼」         境界 「瓦礫の理由」        境界 「配慮の有無」        価値観 「銀の牢獄」         境界 「重なる瘡蓋」        境界 「見えない顔」        日常 「神木の瞳」         価値観 「最後の理性」        感情 「月光に照らされて」     感情 「重なる景色」        時間 「境界の先で」        循環 「寄り添う枯葉」       日常 「いやし」          循環 「編まれゆく造形」      循環 「ずれた距離」        日常 「刻まれた断片」    ...

記憶の欠片


 窓のカーテンを押し上げる。穏やかな陽光と共に、涼風が入り込んだ。空気を入れ替え、清浄を満たして。


 テーブルに敷かれたクロスが捲れた。黒く薄い手が、箸を掴む仕草をしている。食卓の上には何もない。繰り返し、黒い顔に運ぶ。


 隣の部屋で、テレビの音がした。


 男が画面を見ながら、ワイシャツのボタンをかけている。リモコンを手に取り、ボタンを押す。窓を閉めて、玄関に向かう。


 靴を履いている時、鳴き声がした。振り返ると、窓の外に猫がいる。三毛の柄をしばらく眺め、ノブを握った。


 鉄の音が響き、静寂が拡がる。


 塀の上で前脚を舐め、窓越しに覗いていた。縦長の瞳孔が、残影をじっと捉えている。頭上の枝が擦れて、紅葉が舞い降りた。


 揺らめきながら立ち上がり、玄関に向かう。

しばらく揺蕩い、食卓の椅子に戻って来た。黒く薄い手が、箸を掴む仕草をしている。


 猫はじっと見つめて、鳴いた。

 風を震わせて。


 ──黒い影。置いてきた、断片。


 暖かい日差しを浴びながら、顔を上げる。

眩しく拡がる蒼い空に、白い塊りが幾つも流れていた。目を細め、喉を鳴らす。


 黒い影が、ほどける。閉じた窓を抜けて、ゆっくりと三毛の身体に溶け込んで。


 塀から飛び降り、窓を見つめる。枯葉を踏み締め、匂いを嗅ぐ。香りと共に、景色が浮かんだ。


 餌を探しに歩いていく。


 ────焼きついた欠片。目には、見えない。




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