作品アーカイブ (目次)

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白の旋律

 


 靴底から伸びた鉄。地を蹴ると、削れた飛沫が散った。欠片は溶けて表面に流れる。沁みて、また硬く。

 反響する旋律に委ね、膝を曲げる。


 顎を上げ、天井を見つめた。注がれる光に目を細め、手を広げて。跳躍しながら身体を捻り、回転した。重ねる度に速度を増していく。


 唇を動かす顔が並び、視界を巡る。


 ほつれた髪先から、水珠が飛ぶ。

 口が開いて呼気が漏れた。

 

 白色に映し、肩に触れて霧散する。

 音が、途切れた。


 舞い降りる無数の結晶。

 白銀の地は何処までも続く。


 脚を止める。

 掌を宙に向けて。


 旋律が鳴っていた。

 小さく。静かに──消える。


 手を叩く音が、連鎖していく。

 中心で、ゆっくりと息を吐いた。

 

 ────白い霞が、肩に触れる。

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