作品アーカイブ (目次)

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二つの世界は



 画面を凝視し、キーを叩く。

 瞬きのあとに、切り替わっていた。



────

 景色は粗く見える。角ばった太陽からは熱が降りてこない。


 腕を伸ばして手を開いた。指が、ない。握ると四角い拳になる。

 声を出した。

 口は動かない。一本、線を引くだけで。


 雄叫びと、悲鳴だけを発せた。

 前を向くと、影が近付いて来る。


 四つ脚の獣。

 牙を覗かせ、迫っていた。


 踵を返して駆け出す。

 走り続けた。


 疲れることは、ない。


 背中に三角の爪が触れた。

 うつ伏せに倒れ、噛みつかれて。


 背中から飛び出す赤い粒が、直ぐに消えていく。視界が暗くなる。


 頭に浮かんだ。

 己の脳を解析し、キーを叩いて打ち込む姿が。


 景色は粗く見える。

 影が、近付く。



────

 腕を組み、眺めていた。


 肩を掴んで僅かに震える。リモコンを握り、エアコンに向けた。電子音が鳴ったあと、息を吐く。


 視線をモニターに向けると、また走っていた。首を振り、人差し指に力を入れる。


 ────黒い画面に、顔を映した。

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