作品アーカイブ (目次)

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自問の末に



『なぁ。組み立ててくれよ』


 高層ビルの狭間に散らばる肉片。アスファルトは赤黒く濡れ、溜まりを拡げていた。


 浮かんだ眼球が此方を見ている。傍にある顔は削れ、陥没していた。口は、ない。

『直したら、また俺になるだろう?頼むよ』


 じっと見つめ、首を振る。


 固まり、束になった髪が少し揺れた。逆に曲がった肘。皮膚を突き破り、覗いた白。

「綺麗に組み上げても、それは君じゃないよ」


 乾いていく地面。

 頭蓋から零れた、灰褐色の欠片。


「最初から、ずっと」

『......迷ってるんだ』


 眼球に視線を合わせた。

「崩れるだけだ。何も失わない」


 サイレンが鳴り響く。雑踏が立ち止まり、上を指差している。ざわめきのあと、叫び声が交錯した。


 群衆の輪が広がる。

 湿った、砕ける音。


 ────崩れただけだ。

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