作品アーカイブ (目次)

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昇った先

 


 見上げていた。

 目を細め、首を傾げて。


 茶と緑が混在した空。千切れた葉は上昇し、土に張り付く。

 

 蒼い地に、まばらに白が流れていた。足元で羽ばたく音が聞こえる。飛び去る影は滑空し、深く潜っていく。


 息を吸い込み、唇を結んだ。

 下に向かって沈んでいたから。


 湧き出る光を浴び続け、漂う水滴と氷の粒を突き抜けていく。


 ふと途絶え、暗闇に包まれた。

 底に触れる。


 厚い膜に膝を着いて。

 指を差し込み、掻き分ける。


 柔らかく、重くなり──土埃が舞った。


 陽射しを手で遮り、辺りを見渡す。

 生い茂る草が揺れていた。


 腕に力を込めて身体を引き抜く。掌には小石が幾つか食い込んでいた。全身をはたき、髪を払う。


 見上げると、蒼が拡がっていた。

 まばらに白が流れて。


 視線を落とし、穴を覗く。

 浅く、湿っていた。


 千切れた葉が、静かに舞い上がる。


 ────頭上に顔を向けた。

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