作品アーカイブ (目次)

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映された背中

 


 遮断機が降りて、規則正しく音が鳴る。敷かれた鉄が振動し、響き出す。

 眼前の縞模様を見つめていた。喉仏が上下する。手を伸ばしていた。指先は震えている。掴み、握り締めたまま動きを止めた。唇を結び、払いのけて潜り抜ける。


 地面が揺れた。足裏を伝い、身体を這う。

 重い塊が連なり、ゆっくりと迫る。


 触れて、千切れ、四散した。

 微笑みを残して。


 ────

 額縁の前で顔を覆う女が崩れた。額が床に触れ、長い髪が濡れていく。写真の男は、開いた瞳に何も映さない。


 目が合っても。


 嗚咽が笑みに塗りつぶされる。立ち上がった女が窓に近付き、軋む音を響かせた。


 規則正しく、鳴っている。


 ────黒い瞳が背中を映す。

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