作品アーカイブ (目次)
更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。
咳が聞こえた。皆、一様に視線を向ける。直ぐに顔を伏せ、紙を摘まんだ。擦れ、乾いた音が鳴る。瞳を上下に揺らせて繋げていく。断片が映像を象り、内に拡げた。
────
甲板が濡れて靴を湿らす。波がぶつかり、人を攫っていく。手すりに掴まり、力を込めていた。衣服は重く滴っている。暗闇が瞬き、轟音を放つ。
木が裂ける。
傾き、投げ出された。
沈んでいく。両手で掻き、脚で蹴る。
上を凝視し、繰り返──
砕ける音が、響く。
────
顔を向けて、少し眺めた。
箒を持った男が歩いて来る。首にぶら下げた名札を揺らし、硝子の欠片を掃き集めた。
視線を落とし、紙に触れる。
瞳を止めて、頭を振った。
濡れた髪。
流れ落ちる雫。
記述が滲んで。
────底に、揺蕩う。
コメント
コメントを投稿