作品アーカイブ (目次)
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透明な欠片が床に散らばっていた。造花が傍に横たわる。紅い花弁がまばらに千切れていた。脚を動かすと、靴底に細かく砕けた音が鳴る。
窓の外から低い唸りが近付く。口を掌で覆い、息を止めた。声が遠ざかっていく。
額を拭うと、袖が濡れた。
薄闇の中、時計の針が進んでいる。規則的に響いて。短針と長針が12を指していた。
呼吸を沈めて引き出しを探る。重なる布を掻き分けて。
──指先に、冷たく触れた。
目を細め、静止する。
震える手で掴んだ。
ズボンと腹の隙間に差し込み、ドアに向かう。ノブを握り、静かに捻る。
軋む音が僅かに響いた。
廊下を摺り足で進む。壁に手を添えて、辿りながら。玄関から聞こえる。
──金属を擦る音。
瞬きを繰り返して、前方を睨む。腹に手を添え、屈んだ。
肌と布の隙間から抜く。冷たく、硬いものを。目を見開き、闇を見つめて。
金属音が繰り返され、止まった。
──静寂。
鈍く、重く反響した。息を吐く音を呑み込む。ドアがたわみ、木板が裂けた。空気が流れ込み、シャツが靡く。
頭を揺らす影。頬には丸い穴が空いていた。赤い滑りが滴り落ちて、床を濡らしていく。紅く染まった髪がまばらに千切れていた。
引き金を引く。何度も撃鉄を起こして。
胸に染みが幾つか滲む。
虚な瞳と視線が合う。
「君もか......」
見慣れた女。
歪んだ、顔。
サイレンが鳴っている。
小さなレンズが、見つめていた。
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モニター前で頷き、周囲を見渡した。笑みを浮かべて軍服の男に近付く。腕を広げ、拍手を浴びて。
グラスを掲げた人々が、澄んだ音を響かせる。紅く波打たせ、唇を濡らした。
────欠片が散らばる。造花と共に。
ランハムです。
返信削除これは…。撮影現場なのかな?
なんて、考えながら読むShige様の文章は想像しながら読んでいるとほんとに難しくて面白いです。
言葉が最小限に詰まっている、
読解力の薄い私は毎話にらめっこしながら、きっとそうだ!
楽しんでます。
毎回、丁寧に解説して頂けて
嬉しいです。
やはり、今回は撮影現場ですか?
ランハムさん、コメントをありがとうございます。
削除そう感じていただけたのですね。あなたが読んで立ち上がったものが正解です。
それは人によって違うかもしれないですね。私の意図しているものもありますが、それはその内の一つでしかないと思っていますよ。その上で答えると......一つの街で軍事実験をしていたのかもしれないですね。
丁寧に読んでくださり、感謝いたします。ありがとうございました。
なるほど!
削除ランハムです。
全く思いつきませんでした。
軍事実験。
やはり奥深いです。
Shige様の解説を知った途端にその映像が広がりました。
ありがとうございます。
いえいえ、一つの可能性として捉えていただければと思います。撮影現場、その完成を祝う人たち。それは素晴らしい世界です。その世界を立ち上げてくれたことを、とても嬉しく思っています。
削除感謝致します。本当にありがとう。