作品アーカイブ (目次)

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更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。

鎖の先は

 


 八本の脚をくねらせ、進んでいた。上から降りて来る光が僅かに届く。淡く滲んだ世界に、闇が拡がっている。

⁠吸盤を岩に張り付け、静かに佇む。⁠

 遠くから音波が届く。

 背びれを揺らし、影が迫る。


 小さな黒い眼。

 大きく開いた口。

 咥内に並ぶ、尖った歯。


 跳ね上がり、漏斗から墨を吐き出す。脚は個々に動き、宙を掻き分けて距離を稼ぐ。地面に這いつくばり、身体の色を瞬時に染める。


 巨大な身体が波打つ。頭上を旋回していた。砂埃の中で、じっと待つ。


 遠ざかる大きな影。色を戻し、地を蹴った。

 砂塵を巻き上げ、周囲を濁す。


 傍にある岩棚から泡が昇った。

 黄褐色の、細長い身体が覗く。


 漏斗を膨らませた瞬間、鋭利な歯が食い込んだ。胴が千切れ、うねる脚を噛まれ──飲み込まれる。


 墨が漂い、黒く滲んで。

 霧散し、揺れる。


 ────巨大な影が、迫っていた。

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