作品アーカイブ (目次)

イメージ
更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。

科された刑期

 


 掌を包まれていた。柔らかく、温かいものに。冷えていく身体は、熱を生むことはない。

 電子音が高く響き、鼓動を停止する。握られるまま、指痕が残された。


 零れ落ちた意思が、色のない顔を濡らす。伝い、流れ、シーツに沁み入る。


 脳波が跳ね、欠片を拾い上げた。

 構築し、映し出す。


 記憶に想像が足され、引き伸ばされた。


 悠久に。


 抱き締められる。微笑みを浮かべ、頷いた。咲き誇る花に囲まれて、踊り続けた。笑声は途切れることなく響いている。


 横たわる肉体に、表情はない。


────

 荒い息を吐き、刃の滑りを拭った。波紋を覆う滴りを吸っていく。骸を踏みつけ、障子を蹴破る。


 目を見開き、震える者。口角を上げて歩み寄る。静かに刀を振り上げた。


 身体が強張る。己の胸から切先が飛び出し、背中へと戻っていく。胸を抑えて振り返り、横に薙いだ。


 金属音のあと、指が痺れた。


 宙を回転する刀身。罵声と共に己の腹が裂かれる。膝から崩れ、溢れた臓物を眺めた。


 欠片が構築され、記憶に想像が足される。

 引き伸ばされて。


 悠久に。


 顔を顰め、刀を振る。何人も斬り続けた。腕は千切れ、脚を引き摺る。罵声は途切れることなく響いていた。


 座り込む肉体に、表情はない。


────

 煙が昇る。焼却され、分解されて。

 白い残骸は砕け、塵に混ざった。


 同じ道を辿る。

 刑期も。


 ────科されたもの以外は。

コメント

このブログの人気の投稿