作品アーカイブ (目次)

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更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。

種の為だけに

 


 ひび割れた壁が崩れ、欠片が零れた。地に跳ねて転がっていく。

 床を鳴らす靴が音を止める。硬く、鈍い響きに顔を向けて。

 静止した破片が。

 降りてくる光に照らされた。


 跪き、掌を合わす。

 天を仰ぎ、滲む目を細め──唇が動く。


 紡いでいた。

 浮かんだ名を。

 

 現象に与える。


────

 焚べた木に絡み付く炎。昇る煙を眺めながら、腰掛けた丸太に触れる。


 深い闇が拡がっていた。


 葉を擦らせ、囁く樹木。

 草を揺らし、唄う虫。

 枝はしなり、鳥が飛び立つ。


 細く。

 短く。

 ゆっくりと。


 声は途絶える。

 薪が爆ぜる音を残して。


 周囲に視線を巡らせ、留めた。


 目を見開いて倒れ込む。尻を引き摺り、後ずさった。歯を噛み鳴らし、人差し指を向けて。


 唇が紡ぐ。

 浮かんだ名を。


 光景に与える。

 

────

 朽ちた残骸が散らばっていた。砕けた建造物には蔦が這う。地には獣が走り、草花が何処までも生茂る。


 褪せた玩具を風が撫でた。

 砂に変わり、運ばれていく。


 咆哮が空気を伝う。

 紡ぐことはない。


 ────ただ、存在した。

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