作品アーカイブ (目次)
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白い室内で、高い声が響いている。ずっと、受け取っていた。産まれる前から。
転んで膝を抱える。すぐに駆け寄って来た。頭を撫でられ、また貰う。毎日くれた。目を擦り、見上げる。笑い声が重なって。
ドアが開く。ベッドに座ったまま横目で見た。入って来ると隣に腰掛け、紡ぎ出す。首を振って立ち上がり、部屋を出ていく。要らないから。
スマホが鳴る。画面を見て、溜息を吐く。しばらく振動が続いて、止んだ。暫くすると、震え出す。何度か繰り返したあと、顔を顰めて手に取った。
一言。
声はまだしていたが、切ってポケットに捩じ込んだ。顔が、ぼやける。
キーボードを叩き、モニターを見つめていた。響く打鍵。湯気が横切り、デスクの端から硬い音がする。置かれたコップに視線を移し、軽く頭を下げた。指を止めて手を伸ばす。唇が湿り、苦味を拡げる。
コール音が鳴っていた。受話器を取った人が駆け寄って来る。電話を指差し、口を開いた。
エンジン音が静かに響き、窓の景色は流れていく。ライトがすれ違い、目を細める。スマホの画面をなぞると、同じ名前で埋まっていた。
白布が顔を覆っている。嗚咽が重なり、部屋を包む。近付いて来た人。震える手が、封筒を差し出す。自分の名前。開封し、文字を追う。
途中で滲む。
膝から崩れ、濡れた紙が細かく揺れる。
ずっと、受け取っていた。
白布が落ちる。
皺が増えて。
────顔が、違う。
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