作品アーカイブ (目次)
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巨大な球が置いてある。公園を埋め尽くしていた。ブランコや滑り台は見当たらない。
ただ、それだけがある。近付いて触れてみた。しっとりと、湿っている。指を引いて少し離れた。目を細め、じっと眺める。薄い靄に包まれているが、その奥に茶色と青が斑にある。
腕を組んで首を傾げた。頷いて、大きく息を吸う。鼻を摘まみ、瞼を閉じて。
頭を突っ込んだ。
ひんやりと肌を撫でる風。髪が雲を散らし、僅かに濡れる。目を開くと、視界に海が拡がっていた。大きな陸地の隣に、小さな島の連なりが見える。眼を凝らして覗き込む。
沢山の人が見上げながら指差していた。何か叫んでいる。聞き取ろうと、耳を澄ませて体を乗り出した。
球体が膨張し──弾けた。
残響のあとに霧散する。公園にはブランコと滑り台があった。ざわめきが聞こえ、辺りを見回す。沢山の人が集まっていた。皆、空を指差して。
ゆっくりと視線を辿る。
軽い音が鳴り──弾けた。
────公園に、巨大な球が置いてある。
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