作品アーカイブ (目次)

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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「見つめるものは」     感情 「変わらない夜」      断片 「記憶の中で」       断片 ─ピックアップ─   テーマ   断片 「蝉に向けて」                               ─テーマ別─ ─境界─       二十四作品 ─時間─               七作品 ─循環─           二十作品 ─感情─           二十作品 ─万有─               九作品 ─価値観─       十八作品 ─日常─           十二作品 ─断片─           十二 作品 ─無─                   三作品 ─掌編─    「見つめるものは」      感情 「変わらない夜」       断片 「記憶の中で」        断片 「蝉に向けて」        断片 「決められた中で」      境界 「戦場の欠片」        感情 「零れたのは」        感情 「アート」          価値観 「眼球の奥」         境界 「飛び去る欠片」          循環 「淵の端から」        感情 「写実した風景」       境界 「同じ場所で」        境界 「無機物の渇望」       境界 「歪んだ花」        ...

何処へ向けて



  垂れ下がる太い綱を握り、何度か振る。大きな鈴が鈍い音を鳴らした。両手を合わせて目を閉じる。毎日、繰り返していた。

 俯いた頭に浮かぶ、眠っている若い女。長い睫毛が持ち上がる。此方を向いて、唇が動く。


 ──笑い声。


 視線を送ると、大人と手を繋いだ子供がいる。

 辿っていた。その瞳が見上げる顔を。


 女と、目が合う。

 紅い唇が微笑み、会釈して。


 目を見開き、瞬きを繰り返して頭を下げた。ふと、気付く。老夫婦が二人の後ろで睨んでいた。


 老人の皺が深く刻まれ、低い声が耳を突く。


「娘を見るな。どけ」


 頷き、足早に離れた。

 綱が揺れる。鈍い音を鳴らして。


 ──良かった。


 振り返る。捨てた人を。視線が交差した。首を傾げた女が、微笑んでいた。


 ────祈りが届く。己のための。

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