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積まれた煉瓦

 


 橙色の煉瓦が積まれる。長く、高く。端を丁寧に合わせながら、ゆっくりと重ねて。太陽の視線を受け、熱が籠る。

 顔を下に向けると、街が拡がっていた。数多の人が歩んでいる。暫く眺め、眼前の煉瓦に触れた。風が、僅かに冷やす。


 靴底を音もなく乗せた。梯子を一段登る。

 担いだ背嚢に、縁まで詰まっていた。

 減ることは、ない。


 息が乱れ、身体が震えた。大きく吸って、全てを吐き出す。


 空を見上げた。


 ──あの、雲まで。


 少し、揺れた。顔を街に向け、歯を食いしばる。視点を移して。


 太陽と眼が合った。

 手を開け、背に伸ばし──掴んだ。


 ────煉瓦を積む。丁寧に。

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