作品アーカイブ (目次)

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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「筆の先で」        境界 「積まれた煉瓦」      感情 「枯葉と砂」        日常 「線の先は」        境界 ─ピックアップ─ テーマ  時間 「重なる景色」 ─テーマ別─ ─境界─       十四作品 ─時間─           七作品 ─循環─       十三作品 ─感情─           十一作品 ─万有─           七作品 ─価値観─   十五作品 ─日常─           十一作品 ─断片─           四作品 ─無─               三作品 ─掌編─    「筆の先で」         境界 「積まれた煉瓦」       感情 「越えた後」         境界 「シリアルを咀嚼して」    感情   「街の跡」          日常 「旋回する夜」        日常 「閉じた瞼」         境界 「瓦礫の理由」        境界 「配慮の有無」        価値観 「銀の牢獄」         境界 「重なる瘡蓋」        境界 「見えない顔」        日常 「神木の瞳」         価値観 「最後の理性」        感情 「月光に照らされて」     感情 「重なる景色」        時間 「境界の先で」        循環 「寄り添う枯葉」       日常 「いやし」          循環 「編まれゆく造形」      循環 「ずれた距離」        日常 「刻まれた断片」    ...

ずれた距離



 テーブルの下で両手を合わせた。ぎゅっと握り、爪が食い込む。椅子を前後に揺らせながら。針がつられる。壊れた時計の奥で。


 顔を上げると母が瞳を覗き込む。腰に手を当て、動こうとしない。


「言うことがあるんじゃない?」


 俯いて口を尖らせた。紅くなった頬が膨らむ。握った手から、擦れる音がした。


 風が流れる。カーテンと髪を撫でて。母は溜め息を吐いた。テーブルを挟んだ椅子。背もたれを掴んで、引く。


 ゆっくりと座り、テーブルに両肘を乗せる。

眉間に皺を寄せて。視線は、硬く。


 受け止めて、大きく息を吸い込む。


「......僕じゃない」


 両手を机に乗せた。机が軋む。壊れた時計が、傾いて。


 母は視線を逸らせた。

 車が走る音が近づき──遠ざかる。

 横目で窓を見て、向き直った。僕は掠れた声を絞り出す。


「言うこと、ないの?」


 母が目を細める。小さな声で言葉を紡いだ。


「......ごめんね」


 外から笑い声が響く。

 僕が、瞳を覗いていた。鼻から息を吸い込み、吐き出して。


 席を立ってドアに向かう。ノブを掴み、振り返った。


 ────ポケットのネジが、鈍く響いた。



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