作品アーカイブ (目次)

イメージ
  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「無機物の渇望」      境界 「歪んだ花」         境界   「編まれた柱」       循環 「消えていく顔」      断片 「錯覚のまま」       断片 ─ピックアップ─ テーマ   万有 「10^-10^50の虚構」                  ─テーマ別─ ─境界─           十九作品 ─時間─               七作品 ─循環─           十七作品 ─感情─           十四作品 ─万有─               八作品 ─価値観─       十七作品 ─日常─           十一作品 ─断片─               八 作品 ─無─                   三作品 ─掌編─    「無機物の渇望」       境界 「歪んだ花」         境界 「消えていく顔」       断片 「錯覚のまま」        断片 「ただ、純粋に」       価値観 「選べるなら」        断片 「種の中で」         循環 「いない気がして」      境界 「跳ねたコイン」       価値観 「溢れた珈琲」        境界 「10^-10^50の虚構」       万有 「少女の花弁」        感情 「巡る日常」         境界 「視線...

壊れる時間


 畳の上に、座布団が敷かれている。その上で胡座をかく男。視線の先に、笑う女がいた。タブレットの中で、派手な衣装に身を包んで。画面の時刻は、0時。


 傍に視線を移し、手を伸ばした。


 テーブルに置かれた、グラス。掴み、唇に運ぶ。琥珀色の液体が波打つ。苦味を感じる。喉仏が上下に動き、音を立てる。息を一つ吐いて、時計を見た。


 瞼を瞬かせ、呟く。


「......壊れたか?」


 秒針が進まない。12の位置で、細かく震えて。


 闇を映す窓。タブレットから流れる音楽。

グラスの氷が、溶けて動く。鳴ることは、ない。


 光を放つ滑らかな硝子。その奥で女が踊っている。赤いスカートを、靡かせながら。


 腰を上げて、踏み締める。畳の目が足裏を擦った。ざらつく感触。


 時計を手に取り、摘みに触れた。手応えなく空回る。首を傾げ、もう一度捻った。


 短針と長針が動く。12に重なった時、秒針が動き出した。


 ──時間を、合わせないと。


 指先に力を込めた。空回りする、摘み。


 笑い声が聞こえた。回りながら笑う女。派手な衣装に身を包んで。


 画面の時刻は、0時。

 

 首を傾げて、電灯を消した。

 布団に寝そべり、いびきが響く。


 ────秒針が震える。暗闇に踊り続けて。

コメント

このブログの人気の投稿

作品アーカイブ (目次)

境界の鏡

雨上がりの空