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イカロスの夢

 


ジャングルジムから飛び降りた。

両手をばたつかせて、宙を掻く。靴底が地面に触れ、髪の先から透明な飛沫が散った。

息を弾ませながら登る。何度も繰り返していた。


少年が見上げると、蒼く広がっていた空が黄金色に塗り替えられていく。


視線の先で鳥が飛んでいる。ゆったりと翼を羽ばたかせ、地平の彼方へ消えていった。


じっと見つめていた。瞳に焼き付けたイメージを抱いて登っていく。

瞼を閉じて、後ろ手に鉄棒を握る。


指を離して飛び上がった。両手をばたつかせて思い描く。滑空していく鳥の姿を。

視界に映る景色が、ゆっくりと降りていった。風の匂いが全身に染み渡る。


黄金色の光が少年を包み込み、靴底で砂が散った。きらきらと舞い降りる砂の中で、少年は微笑んでいる。


公園の入り口に見慣れた人影が立っていた。

顔を顰めた母親が、歩きながら叱りつける。


夢中になって言葉を紡ぐ少年の顔が、母親の表情を緩ませていく。


頭を撫でられ、手を繋いでいた。


大きい影と小さな影が、寄り添いながら何処までも伸びていく。


───想像と現実が溶けて混ざる。真実として。

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