作品アーカイブ (目次)

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視線と誇り



 視線が注がれていた。身体が僅かに強張る。小さく息を吐いた。唇を舐め、引き結ぶ。


 天井を見上げた。


 中央で回る。爪先だけが舞台に触れて。両腕を広げ、跳躍した。腰から下に、白い波を立てながら。ライトが追い、肌を照らし続ける。額に滴が滲み、浮かぶ。


 零れ落ち、球粒が宙を舞い──弾けた。


 胸を反らし、ゆっくりと巡る。

 微笑を添えて。


 無数の瞳が視線を送る。躍動する身体へ。一人が息を止め、喉を鳴らす。その音が旋律に混ざり、口を押さえた。


 片足を床に突き刺し、両腕を頭上に伸ばしている。廻り続けて。


 舞台下。

 中列。

 上列。


 並んだ顔。

 

 境界の先で、互いに表情をなくしていた。

 もう、添えていない。


 飛翔した。掌を光に向けて。

 降り立ち、脚を揃え、踏み鳴らす。


 旋律が止んだ。

 

 背を伸ばし、全体を見渡す。

 静かに、頭を下げた。


 皆、立ち上がる。

 うねり、響き──轟音となって。


 顔を上げ、前を向く。

 

 ────微笑みを讃えて。

コメント

  1. ランハム(略)です。
    プリマドンナであってるかな?
    舞台で丁寧に舞う姿が映像で
    浮かびました。
    綺麗な作品だけどピシッと
    澄んでて美しいですね。

    返信削除
  2. ランハムさん!読んでいただき、嬉しいです。

    舞台の主役ですので、ニュアンス的に合ってると思います。観客と演者の真剣勝負って、良いですよね。

    感謝致します。ありがとう!

    返信削除

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