作品アーカイブ (目次)

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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「無機物の渇望」      境界 「歪んだ花」         境界   「編まれた柱」       循環 「消えていく顔」      断片 「錯覚のまま」       断片 ─ピックアップ─ テーマ   万有 「10^-10^50の虚構」                  ─テーマ別─ ─境界─           十九作品 ─時間─               七作品 ─循環─           十七作品 ─感情─           十四作品 ─万有─               八作品 ─価値観─       十七作品 ─日常─           十一作品 ─断片─               八 作品 ─無─                   三作品 ─掌編─    「無機物の渇望」       境界 「歪んだ花」         境界 「消えていく顔」       断片 「錯覚のまま」        断片 「ただ、純粋に」       価値観 「選べるなら」        断片 「種の中で」         循環 「いない気がして」      境界 「跳ねたコイン」       価値観 「溢れた珈琲」        境界 「10^-10^50の虚構」       万有 「少女の花弁」        感情 「巡る日常」         境界 「視線...

断片の定め



 瞼の裏に浮かぶ光景を、微睡みの中で眺めていた。

 明るく、広い部屋に居る。膝を抱えて座っていた。両脚の隙間から下を覗いて。コンクリートの、白い床。磨き上げられた表面が顔を映す。

 

 床の瞳が僅かに濡れた。傍には銃が転がっている。


 握り締めた拳に、皺だらけの紙幣。部屋には何枚も散らばっていた。印刷された顔がそれぞれ違い、赤く滲んでいる。


 頭蓋の中で声が反響する。脳を揺らし、囁き続けて。床を拭い、瞳が乾いた。


 ──反応だ


「違う。選択した」


 意思は──


 被りを振り、手を頭上に掲げる。

 指を開けて。


 宙を舞う紙幣。その顔が、歪んだ。

 擦れ合い、音が鳴る。

 

 響き、混ざり──瞼を開いた。



────

 落ち窪んだ眼が、天井を見つめていた。紙幣が散乱した部屋で。明滅する電灯に蝿がぶつかり、不規則な音を鳴らす。


 腕が動かない。指先には、銃が触れている。

 絞り出した、掠れた声。


「......報いか」


 こけた頬に皺が幾つも走っている。白髪が散らばり、大きく息を吸った。眼を見開き、呼吸が止まる。


 ────違う。役割だ。

コメント

  1. ランニングハムスターです。
    凄く視覚的にも美しい作品ですね。
    久しぶりにこの語り口の文章を読めて嬉しかったです。

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  2. お久しぶりです。コメントをありがとうございます。
    私の方こそ嬉しく思います。そして、驚いています。深く、感謝いたします。ありがとう。

    返信削除

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