作品アーカイブ (目次)
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明るく、広い部屋に居る。膝を抱えて座っていた。両脚の隙間から下を覗いて。コンクリートの、白い床。磨き上げられた表面が顔を映す。
床の瞳が僅かに濡れた。傍には銃が転がっている。
握り締めた拳に、皺だらけの紙幣。部屋には何枚も散らばっていた。印刷された顔がそれぞれ違い、赤く滲んでいる。
頭蓋の中で声が反響する。脳を揺らし、囁き続けて。床を拭い、瞳が乾いた。
──反応だ
「違う。選択した」
意思は──
被りを振り、手を頭上に掲げる。
指を開けて。
宙を舞う紙幣。その顔が、歪んだ。
擦れ合い、音が鳴る。
響き、混ざり──瞼を開いた。
────
落ち窪んだ眼が、天井を見つめていた。紙幣が散乱した部屋で。明滅する電灯に蝿がぶつかり、不規則な音を鳴らす。
腕が動かない。指先には、銃が触れている。
絞り出した、掠れた声。
「......報いか」
こけた頬に皺が幾つも走っている。白髪が散らばり、大きく息を吸った。眼を見開き、呼吸が止まる。
────違う。役割だ。
ランニングハムスターです。
返信削除凄く視覚的にも美しい作品ですね。
久しぶりにこの語り口の文章を読めて嬉しかったです。
お久しぶりです。コメントをありがとうございます。
返信削除私の方こそ嬉しく思います。そして、驚いています。深く、感謝いたします。ありがとう。