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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「無機物の渇望」      境界 「歪んだ花」         境界   「編まれた柱」       循環 「消えていく顔」      断片 「錯覚のまま」       断片 ─ピックアップ─ テーマ   万有 「10^-10^50の虚構」                  ─テーマ別─ ─境界─           十九作品 ─時間─               七作品 ─循環─           十七作品 ─感情─           十四作品 ─万有─               八作品 ─価値観─       十七作品 ─日常─           十一作品 ─断片─               八 作品 ─無─                   三作品 ─掌編─    「無機物の渇望」       境界 「歪んだ花」         境界 「消えていく顔」       断片 「錯覚のまま」        断片 「ただ、純粋に」       価値観 「選べるなら」        断片 「種の中で」         循環 「いない気がして」      境界 「跳ねたコイン」       価値観 「溢れた珈琲」        境界 「10^-10^50の虚構」       万有 「少女の花弁」        感情 「巡る日常」         境界 「視線...

嘘の果実



 叱責の声が響く。幾つもの電灯に照らされた、明るい部屋。項垂れて、自分の影を見つめていた。

 冷たく、鋭利な言葉。大勢の無表情。醒めた眼差しが男を射抜く。キーボードを叩く音が、止んでいた。


 握った拳に汗が滲む。顔が熱い。鼓動が、頭に鳴り続ける。乾いた唇を舐め、口を開いた。


「確かに、渡した。覚えているでしょう?」


「......俺が、なくしたと言いたいのか?」


 周囲を見渡し、視線を落とす。視界が、滲む。上司が溜め息を吐いた。デスクに戻り、椅子に座る。しばらく睨んだあと、手を横に振った。


 俯き、ゆっくりと歩き出す。皆、視線を合わせない。自席に座ると、顔が緩んだ。両頬を挟むように叩く。


 鞄にしまった、分厚い封筒。


 ───隙間から、そっと撫でた。

コメント

  1. コメント失礼します。
    第三者として読めば、
    誰が正しく、誰が誤っているのかは分からないはずなのに、
    気づけば視線が一方へ寄せられている感覚がありました。
    真実そのものよりも、
    立場や配置によって先に結論が形づくられてしまう。
    その空気の怖さを描いているようにも感じます。

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  2. コメントをありがとうございます。
    先入観は働きやすいので、決めつけなどは現実でよくあることで、仰る通り、立ち位置も絡みますよね。
    丁寧に読んでいただいて、感謝いたします。ありがとうございました。

    返信削除

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