作品アーカイブ (目次)

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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「無機物の渇望」      境界 「歪んだ花」         境界   「編まれた柱」       循環 「消えていく顔」      断片 「錯覚のまま」       断片 ─ピックアップ─ テーマ   万有 「10^-10^50の虚構」                  ─テーマ別─ ─境界─           十九作品 ─時間─               七作品 ─循環─           十七作品 ─感情─           十四作品 ─万有─               八作品 ─価値観─       十七作品 ─日常─           十一作品 ─断片─               八 作品 ─無─                   三作品 ─掌編─    「無機物の渇望」       境界 「歪んだ花」         境界 「消えていく顔」       断片 「錯覚のまま」        断片 「ただ、純粋に」       価値観 「選べるなら」        断片 「種の中で」         循環 「いない気がして」      境界 「跳ねたコイン」       価値観 「溢れた珈琲」        境界 「10^-10^50の虚構」       万有 「少女の花弁」        感情 「巡る日常」         境界 「視線...

削られた御霊

 


 六人の子供が手を繋ぎ、輪を描く。その中心に、しゃがんだ少年が居た。


 繋がれた環がゆっくりと周る。唄を唱えて。


 夕暮れの神社。赤く染まった景色が、時折揺れる。鴉が鳥居に停まり、一声鳴いた。


 ──かごめの唄。


 反響して、木霊する。少年は震えていた。子供たちが笑顔で巡る。唄は何度も繰り返された。風に煽られ、社が軋む。


 月明かりが差し込む頃に、問われた。


 ──後ろの正面、だぁれ?


 わからない。瞼を開くことができないまま、黙っていた。顎先から、滴る雫。   色は─


 目を開くと、少年がいる。神社に、二人きり。


「誰か、わかった?」


 首を振り、黙って社に向かう。肩を掴まれた。


「僕が行こうか?」


 澄んだ響きが身体に沁み込む。

僕が、僕に頷いた。


 社に歩み、佇む少年。吸い込まれ、霧散する。

子供たちの笑い声。世界は削れ、閉じられた。



────

 朧げな意識。視線の先に、天井があった。窓を見ると、黒く染まっている。外側に、鳥の輪郭が浮かぶ。羽を広げて、飛び去った。


 ──俺は......


 点滴と繋がった腕。僅かに動かし、指を閉じる。ナースコールに手を伸ばした。


 ────己を削り、生を掴んだ。変容を拒んで。

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