作品アーカイブ (目次)
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──見つけた。
笑みを張り付けた顔が、ロッカーに設けられた隙間を覗きこむ。目が、合った。
扉が開かれ、女が叫ぶ。男は太い人差し指を口元に立て、手に持ったナタを捨てた。刃を染める色が床に筋を残す。掌がゆっくりと迫る。顔を掴まれ、握られた。細く白い手が腕を掴み、力を込めたがほどけない。
頭蓋が軋み、呻きと混ざった。湿り気を帯びた、軽く砕ける音が鳴る。両手を垂らした骸を引き摺り出して、廊下に投げ捨てた。
じっと見つめた。何も見えていない、瞳を。
溢れた涎に混ざる薄い赤色。唇に触れて指で掬う。口に運んで、中で転がす。にこりと微笑み、何度も頷いた。
「やっと捕まえた」
眼尻から伝い、流れ落ちる。
雫が床に跳ねて散らばり、拡がった。
両足首を持ち、引き摺っていく。向かう先には何体も倒れている。廊下にはワックスが塗られ、滑るように進む。横に視線を移すと、シューズロッカーが並んでいた。名札を確認する。
明るい校内。電灯の光が骸の顔を照らしていた。首を傾げて、足首から手を放す。
その場に置いて、歩き出した。校舎を出て車に向かう。
──名前、なんだっけ。
キーを回して、エンジンを掛けた。傍らにある箱に手を突っ込み、放り込む。軽く砕ける音が車内に響く。ホルダーにあるミルクを口に含み、転がしながら唇を湿らせた。
暖かい日差しが校舎の入り口を映す。
────赤が乾いていた。床に、張り付いたままで。
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