作品アーカイブ (目次)

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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「無機物の渇望」      境界 「歪んだ花」         境界   「編まれた柱」       循環 「消えていく顔」      断片 「錯覚のまま」       断片 ─ピックアップ─ テーマ   万有 「10^-10^50の虚構」                  ─テーマ別─ ─境界─           十九作品 ─時間─               七作品 ─循環─           十七作品 ─感情─           十四作品 ─万有─               八作品 ─価値観─       十七作品 ─日常─           十一作品 ─断片─               八 作品 ─無─                   三作品 ─掌編─    「無機物の渇望」       境界 「歪んだ花」         境界 「消えていく顔」       断片 「錯覚のまま」        断片 「ただ、純粋に」       価値観 「選べるなら」        断片 「種の中で」         循環 「いない気がして」      境界 「跳ねたコイン」       価値観 「溢れた珈琲」        境界 「10^-10^50の虚構」       万有 「少女の花弁」        感情 「巡る日常」         境界 「視線...

寄り添う枯葉



 エレベーターの扉が開く。人がひしめき合う中で、次々と降りる。俯いた男が、あとに掃き出された。胸を、ぎゅっと握って。


 木枯らしが纏わりつく。舗装された道を、踏み締めた。乾いた音が鳴る。粉々に散った、枯葉が。


 ゆっくりと歩を進めた。繁華街の喧騒。緋色の空が、染まっていく。静かな黒へ。


 親子とすれ違った。子供が微笑み、返す母親。手提げ袋を、両手に抱えて。


 眺めていると、唇が緩んだ。


 前を向き、歩く。足速に。木枯らしはもう、止んだ。玄関前で立ち止まる。


 息を吐いて、ノブを掴んだ。


「ただいま」


 幼い子供が駆けて来る。勢いよく抱きついて。


「おかえり!」


 笑っていた。娘と共に。


 奥から聞こえる、食器の音。

 微かに、匂いがした。


 枯葉が舞い、触れる。


 ────欠片に寄り添って。

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