作品アーカイブ (目次)

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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「無機物の渇望」      境界 「歪んだ花」         境界   「編まれた柱」       循環 「消えていく顔」      断片 「錯覚のまま」       断片 ─ピックアップ─ テーマ   万有 「10^-10^50の虚構」                  ─テーマ別─ ─境界─           十九作品 ─時間─               七作品 ─循環─           十七作品 ─感情─           十四作品 ─万有─               八作品 ─価値観─       十七作品 ─日常─           十一作品 ─断片─               八 作品 ─無─                   三作品 ─掌編─    「無機物の渇望」       境界 「歪んだ花」         境界 「消えていく顔」       断片 「錯覚のまま」        断片 「ただ、純粋に」       価値観 「選べるなら」        断片 「種の中で」         循環 「いない気がして」      境界 「跳ねたコイン」       価値観 「溢れた珈琲」        境界 「10^-10^50の虚構」       万有 「少女の花弁」        感情 「巡る日常」         境界 「視線...

波紋の街



 舗装された路面に、波紋が幾つも描かれる。消える間もなく、生まれ続けて。雨粒が、地を打つたびに。


 ふと、途絶えた。遮る傘の上で踊り、跳ねる。滴り落ちて、また──


 空を見上げた。巨大な暗い雲が、灰色に塗り潰す。雫の一団が襲いかかる。俯いて、踏み出した。円環が飛沫に変わり、繰り返す。


 ──見慣れた、光景。


 傘の群れが、雨滴を散らす。踊り、跳ねて、溢れ落ちて──


 歩く先に子供がいた。じっと見つめている。地面に絶え間なく連鎖する輪。消えて、産まれ、巡る、小さな世界を。


 車が道路を走り抜ける。波を起こして。

躱した子供と、目があった。にこりと笑って、また視線を落とす。つられて追う。


 大きな黒い傘と、小さな黄色い傘。

避けて進む、色彩の連なり。顔を上げて、口を開く。


「不思議だね」


 笑顔で紡いだ。持ち手を回して、水溜まりを踏む。水滴を纏って駆けていく。


 暖かく湿った匂いが、残されていた。


 空を見上げる。太陽が雲を蹴散らし、雨を払う。

波紋が消えた。照らされ、宙に還り、巡りだす。


 子供の背中を、見つめていた。


 ────ありがとう。

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