作品アーカイブ (目次)
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拡く波打つ海が揺らめく。高く伸びた塔の上から、幾つも石を投げ込んでいた。
無数の飛沫が散り、波を起こす。頷き、口角を上げて繰り返していた。
雫が跳ね、石が沈み──波紋を残して。
振り下ろす腕が鈍くなる。ゆっくりと腰を降ろした。俯いて石を傍に置く。溜息を吐いて前を向いた。
視線の先に島が一つ、浮いている。立ち上がり、梯子に足を掛けた。靴音を反復させ、塔の根に立つ。
衣服と靴を脱ぎ、水面に飛び込んだ。腕を回し、脚で叩く。顔を横に向け、空気を吸い込んで。
裸足の裏に、砂利が食い込む。
小さな島を、踏みしめていた。重くなった身体を、引き摺りながら歩いていく。
草を掻き分けた時、視界に映った。
──静かに佇む、池。
縁にある切り株に近付き、座った。石が沢山転がっている。手を伸ばし、一つ掴む。
じっと眺めて、呟いていた。
「繰り返すのか」
首を振り、指を開けた。掌から零れ落ちて、地面を転がっていく。
水面が僅かに揺れるだけで。
────微笑み、頷いていた。
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