作品アーカイブ (目次)

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旋回する夜



 羽音を鳴らして、探していた。吐き出された息に導かれ、湿った肌の上で軽く跳ねた。⁠降り立ち、かぎ爪を食い込ませる。

 六本の脚で感じ取り、鋭く長い口吻を差し込む。体液を流し込み、脈打つ温かい液を吸い込んだ。


 腹が膨れていく。透き通る胴体が染まって。前脚を擦り合わせた。


 ──音が、弾けた。


 身体がつぶれ、赤が飛び散る。皮膚に張り付く、塗られた残骸。


 巡る高音が空気を震わせ、足元で消えた。巨大な影が落ちて、甲を叩く。ばらばらにほどけ、引きずる跡に線を引いた。


 開いた窓から、羽音が響く。高く擦れる、澄んだ音が。

 

 耳元で囁き、目覚めさせる。


 ────複眼に、掌が映った。

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