作品アーカイブ (目次)

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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「無機物の渇望」      境界 「歪んだ花」         境界   「編まれた柱」       循環 「消えていく顔」      断片 「錯覚のまま」       断片 ─ピックアップ─ テーマ   万有 「10^-10^50の虚構」                  ─テーマ別─ ─境界─           十九作品 ─時間─               七作品 ─循環─           十七作品 ─感情─           十四作品 ─万有─               八作品 ─価値観─       十七作品 ─日常─           十一作品 ─断片─               八 作品 ─無─                   三作品 ─掌編─    「無機物の渇望」       境界 「歪んだ花」         境界 「消えていく顔」       断片 「錯覚のまま」        断片 「ただ、純粋に」       価値観 「選べるなら」        断片 「種の中で」         循環 「いない気がして」      境界 「跳ねたコイン」       価値観 「溢れた珈琲」        境界 「10^-10^50の虚構」       万有 「少女の花弁」        感情 「巡る日常」         境界 「視線...

流転の木端

 


 川に丸太が浮かんでいた。激しい飛沫を上げながら、滑るように流れてくる。下流に向かって、一直線に。


 大粒の珠が幾つも見える。光を遮る巨大な雲から、流星となって降りてきた。

丸太にぶつかり、大きく揺らす。滴りと一体となって溶けていく。


 空間を切り裂く瞬きの後、轟音が鳴り響いた。

樹木が裂けて、二つに分かれる。燃える炎が水と絡まり、蒸気と煙が渦を描いて昇っていく。丸太が揺らされ、激流の中を静かに進む。


 宙に浮き、真下に吸い込まれていく。回転しながら奔湍を纏い、滝壺に座した岩石が受容する。湿った破砕の音と重なる、乾いた引き裂く音が因果を結んだ。


 弾け、ほどけた丸太だったもの。幾多の波紋を呼びおこす。泡沫と波が交差する中で、魚が踊り、飛翔する。


 雲が霧散し、遮るものはもういない。光を浴びた雨粒が、空に広がり同化する。

刻まれた道を巡る流線が、静謐を取り戻していく。


 焦げた匂いが漂う山に、鶯の声が鳴り響く。

呼応するように日暮が鳴いた。

木霊する反響が、更なる記憶を積み上げる。


 燻る炎が煙を孕み、山脈を覆っていく。


 ────木端が寄り添うように、浮かんでいた。

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