作品アーカイブ (目次)

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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「見つめるものは」     感情 「変わらない夜」      断片 「記憶の中で」       断片 ─ピックアップ─   テーマ   断片 「蝉に向けて」                               ─テーマ別─ ─境界─       二十四作品 ─時間─               七作品 ─循環─           二十作品 ─感情─           二十作品 ─万有─               九作品 ─価値観─       十八作品 ─日常─           十二作品 ─断片─           十二 作品 ─無─                   三作品 ─掌編─    「見つめるものは」      感情 「変わらない夜」       断片 「記憶の中で」        断片 「蝉に向けて」        断片 「決められた中で」      境界 「戦場の欠片」        感情 「零れたのは」        感情 「アート」          価値観 「眼球の奥」         境界 「飛び去る欠片」          循環 「淵の端から」        感情 「写実した風景」       境界 「同じ場所で」        境界 「無機物の渇望」       境界 「歪んだ花」        ...

未来の記憶



 机の落書きに、指を這わせる。なぞりながら頬を置いた。ひんやりとして、少しざらつく。

セーターの袖口に毛玉が幾つか見えた。周囲のざわめきを感じながら、瞼を閉じる。教室と、乾いた冬の匂い。どこか懐かしい、匂い。


────

 目覚ましが鳴り響いた。目を擦り、時計を何度も叩く。腕を伸ばして、欠伸した。

窓から差し込む光に目を細める。カーテンの揺れが風に巻き付く。


 夢を見ていた。懐かしい記憶。思い出せない。頭を振って、視線を移す。妻が置いた、テーブルのコップ。湧き上がるコーヒーの湯気。香ばしい匂いを纏い、立ち昇る。


 ハンガーに手をかけ、Yシャツに袖を通す。ボタンを留めて、ズボンを履く。席に腰掛け、熱い液体を口に含んだ。苦味が広がり、それを飲み込む。


────

 誰もいない教室。カーテンが揺れている。落書きをなぞりながら、想像していた。思い描くのは、未来の自分。就職して、結婚して──


 カバンから取り出した缶コーヒーを口に含む。冷たく、甘い。自分の妻を思い出す。髪が長くて、顔立ちは......目が大きくて、まつ毛は......


瞼が、重くなる。目を閉じて、思い出す。


────

妻が弁当を渡してきた。まじまじと見つめる。髪が長くて、口が小さい。目は大きくて、まつ毛が長い。鼻は少し低くて......


「遅れるよ。お弁当、忘れてるし」


 ずっと前から知ってる顔。しばらく眺めていた。妻のセーター。毛玉を摘んで、千切る。


「毛玉はいいから。......ほんとに遅れるよ?」


 ──ああ、そうか。思い出した。


 微笑んで、ドアを開けた。乾いた冬の匂いに、教室の匂いが重なる。首を傾げた妻が、手を振った。


「いってらっしゃい。」


 ────想像と記憶が交錯する。干渉の先に、今を映した。

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