作品アーカイブ (目次)

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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「無機物の渇望」      境界 「歪んだ花」         境界   「編まれた柱」       循環 「消えていく顔」      断片 「錯覚のまま」       断片 ─ピックアップ─ テーマ   万有 「10^-10^50の虚構」                  ─テーマ別─ ─境界─           十九作品 ─時間─               七作品 ─循環─           十七作品 ─感情─           十四作品 ─万有─               八作品 ─価値観─       十七作品 ─日常─           十一作品 ─断片─               八 作品 ─無─                   三作品 ─掌編─    「無機物の渇望」       境界 「歪んだ花」         境界 「消えていく顔」       断片 「錯覚のまま」        断片 「ただ、純粋に」       価値観 「選べるなら」        断片 「種の中で」         循環 「いない気がして」      境界 「跳ねたコイン」       価値観 「溢れた珈琲」        境界 「10^-10^50の虚構」       万有 「少女の花弁」        感情 「巡る日常」         境界 「視線...

雨上がりの空



 湿った匂いが、掌を包む。暖かく、ざらついていた。雨上がりの、土。


 腕を伸ばし、指を開く。太陽が降りて、手のひらを桃色に透かす。


 細かく落ちる粉塵をそのままに、顔を撫でた。

痛む頬は、濡れている。付着した泥が照らされ、乾いていく。


 ゆっくりと、体を起こす。ランドセルを拾い、背負った。


 ──怒りすぎだろ。


 唾を吐くと、水溜りが赤く映る。唇に触れて、宙を見上げた。


 雲は散り、青空が拡がる。

蒸気が昇っていくのが見えた。俯いて、呟く。


「俺が、悪いのかよ......」


 乾いた土が、剥がれ落ちる。沈んでいく。幾重にも環が生まれ、溶けて、ほどけた。


傷ついたかな──


 頭を掻いて、踏み出す。飛沫が足に、絡んでいた。胸の奥を、湿らせて。


 街並みに、茜色が浮かぶ。景色の先に、家が滲む。口が開き、溢れた。


「......ちくしょう」


 雨上がりの空に、帳が降りる。


 ────痛みは、引いて。軋みは、何処へ。





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