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12月, 2025の投稿を表示しています

作品アーカイブ (目次)

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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「筆の先で」        境界 「積まれた煉瓦」      感情 「枯葉と砂」        日常 「線の先は」        境界 ─ピックアップ─ テーマ  時間 「重なる景色」 ─テーマ別─ ─境界─       十四作品 ─時間─           七作品 ─循環─       十三作品 ─感情─           十一作品 ─万有─           七作品 ─価値観─   十五作品 ─日常─           十一作品 ─断片─           四作品 ─無─               三作品 ─掌編─    「筆の先で」         境界 「積まれた煉瓦」       感情 「越えた後」         境界 「シリアルを咀嚼して」    感情   「街の跡」          日常 「旋回する夜」        日常 「閉じた瞼」         境界 「瓦礫の理由」        境界 「配慮の有無」        価値観 「銀の牢獄」         境界 「重なる瘡蓋」        境界 「見えない顔」        日常 「神木の瞳」         価値観 「最後の理性」        感情 「月光に照らされて」     感情 「重なる景色」        時間 「境界の先で」        循環 「寄り添う枯葉」       日常 「いやし」          循環 「編まれゆく造形」      循環 「ずれた距離」        日常 「刻まれた断片」    ...

チャンネル

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 目尻から流れる。頬を伝い、零れて。テーブルの端に水滴が広がる。画面が揺れていた。  景色が滲む。手を、目に伸ばした。濡れた指を服で拭う。晴れた視界に映された、死臭 。嗚咽が漏れる。  着弾のあと、家屋が粉砕された。部屋に届くのは、乾いた音。画面の中で静かに崩れていく。テーブルに置かれた、マグカップ。ゆっくりと掴み、珈琲を注いだ。  両手で包み、持ち上げる。昇る湯気に香りを含んで。息を吹きかけ、唇に触れた。濃い苦味が口内に沁みる。テーブルに戻し、リモコンを掴んだ。  手を突き出し、親指で何度も押す。画面が次々切り替わる。嗚咽は、もうしていない。指が止まり、口角が緩む。  明るい声が部屋に響く。 爆笑──目尻に、涙を浮かべて。  遠くで炎が拡がる。揺らめき、轟音が地を揺るがす。  ────笑声と重なる。混ざり、溶けて。

投影

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 文字が、漂う。無作為に、散らばって。 連なることがあった。映す。その刹那を。  現実──虚無。  従っていない。その羅列は。 すぐに、ほどける。  何度も。  微細に震え、寄り添う文字。記述でもなく。 ただ、留まる。  導きも、ない。  寄り添い、震えて。 また、映す。  ────刹那を。

『   』

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 種が。  揺らぎ、揺蕩う。現れ、消えた。 時折、拡がる──拡がっていない。  芽を出し、伸びていく。 茎を太くし、葉が生える。 花を、咲かせた。  花弁が散る。しなだれ、枯れて。  ──種のままで。  揺らぎ、揺蕩う。  ────現れ、消えた。

小さな骸

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  眼下に倒れた、顎髭を編み込んだ男。じっと見つめていた。土に敷かれた砂が、赤黒く滲んでいく。握り締めた剣を軽く振る。粘つく雫が散らばった。  地面に刃を突き立て、息を吐いた。傍にある岩に腰を下ろす。顔を上げて、周囲に視線を巡らせた。多くの人が転がっている。兵士も、民も。皆、骸となって。  視線の先で甲冑の輪が描かれる。その中心で敵兵が叫んでいた。掴んだ斧を振り上げ、輪に突進して。  怒声と悲哀が混濁する。仲間が頭を断ち割り、歓声が沸いた。崩れ落ちる、最後の一人。 雄叫びと無数の刃が天を示す。騎士団の旗を靡かせて。  残された街が佇む。石壁は砕け、家屋からは焦げた匂いが漂っていた。生臭い血の匂いが鼻腔に張り付く。小さな靴が、目に留まる。  首を振り、空を見上げた。鮮やかな緋色に染まった雲が流れる。昇る煙が宙にほどけ、景色に編みこまれて。  靴音に気づき、前を向いた。鉄が重なる鈍い響きと。部下が整列している。一瞥して、口を開いた。 「......よくやった。野営に戻り、休め。」  皆、眉をひそめ見合わせる。構わず顎で促すと、踵を返した。そのまま駆け出す。  砂埃が舞うのを眺め、視線を落とした。静寂が拡がる。目が合った。顎髭の骸の、濁った瞳と。  ──お前。......何か言ってたな。  刃の擦れる音が、頭に響いた。 思考が沈んでいく。 ────  顎髭を編んだ男。荒い息を繰り返し、両肩が上下に動く。唸りながら戦斧を胴に薙いでくる。剣板に手を添え、受け止めた。半身にずれて角度を変える。高く澄んだ金属音が鳴り続け、空気を切り裂く。  踏み込み、腕を前に突き出す。切先が胸に潜り込む。背中を──貫く。 「......何故、俺たちを殺す。」 「略奪を繰り返すからだ。」  揺れる、編まれた髭。唇を震わせ、紡いだ。 「生きるためだ。......お前たちと、何が違う。」  剣を引き抜く。溢れ、滴る。纏った毛皮が染まっていく。膝を折り、ゆっくりと仰向けに倒れた。見開かれた目に、太陽を映して。  朧げに歪む景色の外で、月明かりが男を照らした。辿った記憶から意識を手繰る。  身につけた鉄が、冷たく沁みて。 ────  暗闇に塗られた空。降りてくる淡い光。顎髭の骸。零れ出た言葉。 「お前の言う通りかもな。」  布切れを取り出し、柄を握った。立ち上がり、力を込める。地面から抜いた剣を丁寧に拭う...

螺旋の唄

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    暗く、美しい空間。何処までも拡がっていた。散らばる粒が瞬いて。黒い光が、星雲を切り裂くように進む。黒い筋を描きながら。  巨大な縞模様が渦巻く球体が迫る。それを突き抜け、蒼く輝く光に向かう。鮮やかな色彩が波打つ、その世界へ。  雲を抜けて地表に近づく。舗装された道沿いを進む、黒い光。明滅を放つ窓に、導かれるように。 ────  コトコトと音を立て、鍋から湯気が昇る。輪を描いて、ほどけていく。匂いが広がり、鼻を刺激した。  一瞬、暗くなる。  電灯の明滅。頭を掻いて、席を立つ。肉と野菜のスープをよそい、椅子を引く。咳込みながら、座った。震える手で、スプーンを握る。  皿に入れ、掬いながら視線を向けた。テーブルの端で微笑む、女の写真に。  二口啜って、咳き込む。しばらく、眺めていた。  ──息子は、元気だろうか。  減らない皿を見つめ、溜め息を吐いた。  硬い音を立てて、明滅が止まる。  暗闇が拡がり、男の背後で揺らめく。  黒い霧が。 『お前の、役割が変わる』  椅子を倒し、床に倒れた。喉が引きつり、声が出ない。後ろ手で後ずさり、凝視した。 『怯えなくていい。それを、伝えに来ただけだ』  咳込む口を抑えた。掌が、赤く滲む。  暗闇に拡がる霧が、男を包んだ。歯を、噛み鳴らす。 「......死ぬのか」  腹の大きい女が、微笑む。  ──あの子は、いくつになったんだろう。  咳が止んだ。瞳が、濁っていく。  胸の痛みが、和らいで。  ぼんやりと映る。窓の傍に置いた、鉢の花が。大事にしていた、花。  一枚、散った。ひらひらと零れ、土に還る。  茎を、虫が齧るのが見えた。  ──そうだ、たしか......  口元に浮かぶ、微笑み。写真の女と重なる。 『変わるだけだ』  赤子の鳴き声が響いていた。螺旋の唄が──  ────暗く、美しい空間。黒い光が突き進む。鮮やかに明滅する、星雲を巻いて。

等しい欠片

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 乾いた音が連なって、幾重にも重なり続けていた。気怠い体。背は丸まり、集中できない。  思考を靄が包み込む。キーボードから指を離し、目頭を押さえた。ふと、溢れる。 『俺は何をしているんだろう。この仕事は何のためだ』  何度も押して、思い出す。 『......金を、得る為』  打鍵の音が響く部屋。誰もが席に座り、モニターを見つめている。指はせわしなく動き続けて。  明るい照明が、皆を照らしていた。無表情に画面を見つめる、同じ顔を。  ──生きるために。養うために。 叱責する声が聞こえてくる。打鍵の音と混ざりながら。混濁する響きの中で、同僚の一人が項垂れていた。  ──我慢しなければ。  窓の外で雲が流れている。緋色に染まった空を。喧騒に浮かぶ笑い声。風に攫われ、散っていく。  疑うことなく、キーを叩いていた。皆と同様に。ぼんやりと、同僚の顔を眺めた。  同じだ。皆、同じ。項垂れ、震えるあの男も。叱責を続けるあの男も。  終業のベルが鳴り響いた。  反射的に仰け反り、視界が広がる。 打鍵の音が止む。叱責の声も。ぞろぞろと頭を下げて、帰っていく。  一人が振り返って、口を開いた。 「お前も早く帰れよ」 「俺に言ったんだよな?お前じゃなくて」  眉を顰める同僚。首を傾げて、ドアを閉じた。  残響の中、頭を振る。鞄を掴み、席を立つ。靄はかかったままだ。無意識に外に出た。月光と街明かりが交錯する。  夜風が紙屑を転がし、前髪を揺らす。街灯に群がる羽虫を見つめて。  ──同じだ。  視線を外し、歩道に踏みだす。思考の靄が霧散した。  疑いもなく往き交う人々。その雑踏へ紛れに行く。群衆に溶けた男。一部となって、ただ巡る。  ────違いなど、ない。刻まれた跡を辿るだけで。