作品アーカイブ(目次)

イメージ
  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─ 「最後の理性」 「刹那の輪廻」 「月光に照らされて」 「重なる景色」 ─ピックアップ─ テーマ 日常 「寄り添う枯葉」 「ずれた距離」 「イカロスの夢」 ─テーマ別─ ─境界─   七作品 ─時間─   七作品 ─循環─   十三作品 ─感情─   九作品 ─万有─   七作品 ─価値観─   十三作品 ─日常─   六作品 ─断片─   四作品 ─無─   二作品 ─掌編─ 「最後の理性」 「月光に照らされて」 「重なる景色」 「境界の先で」 「寄り添う枯葉」 「いやし」 「編まれゆく造形」 「ずれた距離」 「刻まれた断片」 「剥製」 「嘘の果実」 「チャンネル」 「小さな骸」 「螺旋の唄」 「等しい欠片」 「山頂の霧」 「壊れる時間」 「なぞる先端」 「波紋の街」 「玩具と霧」 「境界の鏡」 「記憶の欠片」 「向日葵の匂い」 「雨上がりの空」 「イカロスの夢」 「繋がる音」 「絆」 「未来の記憶」 「時の揺らぎ」 「罪の幻想」 「欲求の鏡」 「映す鏡」 「石の子供」 「因果の果てに」 「仮面」 「変わらない日常」 「なぞる先端」 「古いねじまき時計」 「走馬燈の奥で」 「削られた御霊」 「魂の祈り」 ─散文詩─ 「刹那の輪廻」 「鼓動の燈」 「連鎖の眼」 「硝子の音」 「投影」 『   』 「呪文」 「命の唄」 「埋もれゆく言霊」 「忘却の彼方」 「見つめる声」 「流転の木端」 「同じ街」 「僅かな眠り」 「巡りゆく炎」 「始原の唄」 「瞬刻の万有」 ─物語─ 「鈴の心」 「尊厳と紙幣」 「水滴の音」 「在り方の道標」 「刻の環」 「最後の贈与」 「一滴の雫」 「継承の矢」 「 Valhalla─『祈りの行方』」 ─suno曲─ 「波紋の街」 「埋もれゆく言霊」 「玩具と霧」 「境界の鏡」 「同じ街」 「呪文」 「魂の祈り」 「連鎖の眼」 「鼓動の燈」

魂の祈り



暗い空間を切り裂くように進んでいた。

巨大な光が長い尾を引いて、一筋の線を刻んでいく。

散在する瞬きに濃く滲む残像が、男の両眼に焼き付いていた。

大地が震える。激しい揺れに立っていることができない。空を覆い尽くす塊が迫って来る。肉体が悲鳴をあげ、焦げた匂いがした。

男の叫びと街の狂騒が響き、混ざり、溶けていく。

俺の、息子──無邪気に微笑む、幼い少年の顔が脳裏に浮かぶ。その刹那に四散した。

瓦礫と肉片が渦を巻く。
暗闇が支配する世界で、岩石が無数に漂っていた。黒い霧となった男の周囲に、同じ存在となった者たちが揺らめいている。

朧げに漂う数多の黒い霧が絡み、螺旋を描く。透明な糸を手繰るように。

──その中心に、男だったものがいた。

本質に還っていく。全ての霧が暗い空間に照らされ、目覚めていた。

一つとなったそれは岩石を吸収し、丸く研磨されていく。巨大な燃える塊に導かれ、刻まれた跡を高速で巡り続けた。

融合して、生まれた球体。
赫く揺らめく炎が遠くから見守っている。
永遠とも感じられる時が流れた。

地表で意識を自覚した。
枝分かれしていく存在の一部が宙を見上げる。

四つの眼で、暗く美しい天空を見つめていた。散りばめられた輝きに魅入られて。

暗い空間を切り裂くように流れる光に、手を合わせて祈った。細く長い尾が滲んで、暗闇に閉じられていく。

その光景を見届け、八本の脚をくねらせながら歩いていた。蜘蛛のような知的生命が、息子を抱き上げる。幼い蜘蛛が、無邪気に微笑んでいた。

───忘却の彼方に、永遠に刻まれている。

コメント

このブログの人気の投稿

境界の鏡

雨上がりの空

作品アーカイブ(目次)