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作品アーカイブ (目次)

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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「見つめるものは」     感情 「変わらない夜」      断片 「記憶の中で」       断片 ─ピックアップ─   テーマ   断片 「蝉に向けて」                               ─テーマ別─ ─境界─       二十四作品 ─時間─               七作品 ─循環─           二十作品 ─感情─           二十作品 ─万有─               九作品 ─価値観─       十八作品 ─日常─           十二作品 ─断片─           十二 作品 ─無─                   三作品 ─掌編─    「見つめるものは」      感情 「変わらない夜」       断片 「記憶の中で」        断片 「蝉に向けて」        断片 「決められた中で」      境界 「戦場の欠片」        感情 「零れたのは」        感情 「アート」          価値観 「眼球の奥」         境界 「飛び去る欠片」          循環 「淵の端から」        感情 「写実した風景」       境界 「同じ場所で」        境界 「無機物の渇望」       境界 「歪んだ花」        ...

見つめるものは

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   石を蹴った。僅かに浮いて地面に向かう。何度か跳ねて、歩く先に留まる。砂利の上に佇んでいた。見つめたまま近付き、脚を振る。  土が削れた。  落下して硬い音を鳴らし、舗装された道を転がっていく。  視線で辿り、軌跡を追った。  木枯らしが頬を撫でる。髪を靡かせて。  背負うランドセルは、重く。  顔を上げて周囲を巡らせた。    虫が飛び、猫が鳴く。  鳥の囀り、人の声。  銀杏の匂い。    枯葉が舞い降り、石に被さる。  駆け出して、擦れ違った。  ────前を向いて。

変わらない夜

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   壁が鳴っている。鈍く、重く。等間隔に繰り返していた。仰向けのまま頭を巡らせ、視線を定める。  薄闇に浮かぶ短針は12。長針も12。  深く息を吐き、音に顔を向けた。身体を起こし、近付いていく。前に立ち、脚を振って爪先をぶつけた。  鈍く、重く。  繰り返して。  振り返ると、仰向けに転がる人影が動く。  目が、合った。  身体を起こし、近付いてくる。  薄闇に浮かぶ短針は12。  長針も。  ────壁が、鳴っている。

記憶の中で

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   黄色いシャツの袖から伸びた、褐色の腕。肌に滲み、浮いて伝う。爪先を立て、回っていた。滴る珠が飛び散り、土に沁み込む。  半ズボンの下で絆創膏が剥がれ落ちる。小さな瘡蓋が膝に貼り付いていた。  笑顔が弾け、踵を降ろして地面を蹴る。  砂を撒いて跡を残し、不規則に並べていく。  腕を組んだ女が頷き、目を細めていた。  唇を緩ませ、歩み寄る。  両手を広げて受け止めた。  濡れた髪を撫で、タオルで覆う。擦る度に笑声が届いた。開いた口から音が混ざる。  重なり、響いた。  木々から拡がる、蝉の鳴き声。  ────二人を包んで。

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   根を張り巡らせた、太い幹。伸ばした枝がたわみ、先端の葉が揺れる。上に、下に。  手を翳して眺めていた。  木を象り、靡く景色を。  輪郭を避けて向かってくる。  映すことは、ない。  袖がはためき、髪が浮く。  ゆっくりと視界を閉ざした。  枝を細かくしならせて。  身体を辿り、拡がり──過ぎていく。  髪は降りて。  葉はじっと。    ────音は、しない。

蝉に向けて

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 幹にしがみつき、腹を震わせ響かせる。呼応して連なり、音が膨らんだ。立ち並ぶ木々に反響し、街を包む。  小さく、混ざる。  枝が絡む、塞いだ窓の隙間を縫って。  湿った畳に仰向けでいた。唇は裂け、肌は乾いている。充血した眼が明滅する蛍光灯を映していた。周囲に菓子箱が散らばり、ペットボトルが転がっている。  尻の下は茶色に滲み、色を変えていた。短い指を動かし、伸びた爪で畳を掻く。褪せた黄色いシャツに皺が寄り、描かれたヒーローが歪んだ。  外から伝い、耳に届く。聞いたことのある高い声。皆、笑い合っている。残響を残し、ゆっくり遠ざかっていく。  喉を鳴らし、口から零れた。かすれ、しゃがれた音が。  瞼が、降りる。  ドアの前で女が手を振っていた。微笑みながらノブを掴む。重く軋んだ鉄が響いて。  しがみついた脚が外れた。  腹を震わせ、地に向かう。  ────混ざることは、ない。

結晶を痕に

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   灰色が沁みた膜が漂っていた。流れ、形を変えて。繋がり続けて覆い隠す。  濾過された光は細く、地表は淡く照らされていた。溢れ、零れた粒に冷風が触れる。結晶となって舞い降りた。  絶え間なく。  積み重ねて。  暗く拡がる地平を、白く塗り替えていく。  吐いた息は姿を現す。  揺らめき、昇り、擦れ違った。    数多の結晶と。  前に踏み出し、脚が沈む。  繰り返し、膝を上げて。   ────痕は埋まり、また。