作品アーカイブ (目次)

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  更新通知⇨ RSSで新作を受け取る *文章にAIを一切使用していません。自分の感性だけで書きたいからです。曲と画像はAIで作成しています。 ─最新─              「無機物の渇望」      境界 「歪んだ花」         境界   「編まれた柱」       循環 「消えていく顔」      断片 「錯覚のまま」       断片 ─ピックアップ─ テーマ   万有 「10^-10^50の虚構」                  ─テーマ別─ ─境界─           十九作品 ─時間─               七作品 ─循環─           十七作品 ─感情─           十四作品 ─万有─               八作品 ─価値観─       十七作品 ─日常─           十一作品 ─断片─               八 作品 ─無─                   三作品 ─掌編─    「無機物の渇望」       境界 「歪んだ花」         境界 「消えていく顔」       断片 「錯覚のまま」        断片 「ただ、純粋に」       価値観 「選べるなら」        断片 「種の中で」         循環 「いない気がして」      境界 「跳ねたコイン」       価値観 「溢れた珈琲」        境界 「10^-10^50の虚構」       万有 「少女の花弁」        感情 「巡る日常」         境界 「視線...

記憶の欠片


 窓のカーテンを押し上げる。穏やかな陽光と共に、涼風が入り込んだ。空気を入れ替え、清浄を満たして。


 テーブルに敷かれたクロスが捲れた。黒く薄い手が、箸を掴む仕草をしている。食卓の上には何もない。繰り返し、黒い顔に運ぶ。


 隣の部屋で、テレビの音がした。


 男が画面を見ながら、ワイシャツのボタンをかけている。リモコンを手に取り、ボタンを押す。窓を閉めて、玄関に向かう。


 靴を履いている時、鳴き声がした。振り返ると、窓の外に猫がいる。三毛の柄をしばらく眺め、ノブを握った。


 鉄の音が響き、静寂が拡がる。


 塀の上で前脚を舐め、窓越しに覗いていた。縦長の瞳孔が、残影をじっと捉えている。頭上の枝が擦れて、紅葉が舞い降りた。


 揺らめきながら立ち上がり、玄関に向かう。

しばらく揺蕩い、食卓の椅子に戻って来た。黒く薄い手が、箸を掴む仕草をしている。


 猫はじっと見つめて、鳴いた。

 風を震わせて。


 ──黒い影。置いてきた、断片。


 暖かい日差しを浴びながら、顔を上げる。

眩しく拡がる蒼い空に、白い塊りが幾つも流れていた。目を細め、喉を鳴らす。


 黒い影が、ほどける。閉じた窓を抜けて、ゆっくりと三毛の身体に溶け込んで。


 塀から飛び降り、窓を見つめる。枯葉を踏み締め、匂いを嗅ぐ。香りと共に、景色が浮かんだ。


 餌を探しに歩いていく。


 ────焼きついた欠片。目には、見えない。




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